「理学療法士って、どんな仕事をしているんだろう?」

怪我や病気からの回復を支える存在として注目される理学療法士。

実は、理学療法士の仕事内容は幅広く、患者さん一人ひとりの健康をサポートするために多彩なスキルが求められます。

この記事では、理学療法士の具体的な仕事内容や活躍の場、日々のやりがいについて詳しくご紹介します。

国家試験についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

理学療法士を目指す方や、興味がある方にも、きっと新しい発見があるはずです。

理学療法士とは?基本の役割と概要

理学療法士(PT)とは、身体機能が低下している方に対して、物理療法や運動療法を用いたリハビリテーションを実施し、「歩く」「座る」「食べる」などの機能改善を支援する専門職です。

理学療法士が関わる患者さんには、病気によって身体に障害を抱える方、事故で身体の一部が不自由になった方、加齢により身体機能が低下した方など、さまざまなケースがあります。

身体機能の回復をサポートする専門職

理学療法士は、けがや病気などで身体に障がいを抱えた方にリハビリテーションを提供する医療の専門職であり、「理学療法士及び作業療法士法」に基づく国家資格です。

英語では「Physical Therapist」と表記され、略して「PT」とも呼ばれています。

理学療法士は医師の指示に基づき、運動指導やマッサージ、電気刺激、温熱療法などを用いて、座る・立つ・歩くといった基本的な動作の回復をサポートし、患者が自立した日常生活を送れるよう支援します。

対象は障がいを持つ方に限らず、けがや病気の予防、スポーツトレーニングを目的とする健康な方も含まれます。

そのため、理学療法士の活躍の場は医療機関にとどまらず、高齢者や児童を支援する福祉施設、保健所などの行政機関、プロスポーツクラブや民間のフィットネスクラブなど多岐にわたります。

理学療法士と作業療法士の違い

リハビリ職の国家資格には、理学療法士と並んで作業療法士(Occupational Therapist:OT)があります。

理学療法士は主に身体に障がいがある人を支援しますが、作業療法士は精神障がいのある方も対象としています。

理学療法士が座る・立つ・歩くなどの“基本的な動作”のリハビリを中心に行うのに対し、作業療法士は服の着替えや身体の洗浄、文字を書くといった日常生活の“応用的な動作”に重点を置いたリハビリを行います。

ただし、これらの領域は厳密に分かれているわけではなく、理学療法士が日常生活動作を指導する場合や、作業療法士と連携してリハビリを進めることもあります。

簡単にまとめると理学療法士とは、身体機能が低下している方に対して、物理療法や運動療法を用いたリハビリテーションを実施する専門職のことでした。

続いて、理学療法士の仕事内容について解説していきます。

理学療法士の仕事内容を解説

ここからは、理学療法士の具体的な仕事内容についてご紹介します。

リハビリ計画の作成と運動療法

リハビリ計画の作成と運動療法は、理学療法士にとってメインの仕事。

詳しい業務内容は以下の通りです。

  • ・検査、測定の実施と患者の状態評価
  • ・運動療法の提供
  • ・物理療法による治療

検査・測定の実施と患者の状態評価

リハビリを始める前に、まず患者の状態を確認し、今後の治療方針を計画します。

患者の基礎疾患や既往歴、生活状況などの基本情報に加えて、身長・体重、四肢の長さ、心電図、血圧、筋電図、運動機能(筋力、持久力、柔軟性、敏捷性、バランスなど)、神経機能などを詳しく検査します。

検査結果をもとに必要なリハビリプログラムを設計し、医師や他の専門職と協議のうえ、治療の方針と目標を決定します。

その後は、プログラムに基づいて運動療法や物理療法を行い、定期的に再評価を行いながら回復を目指していきます。

運動療法の提供

患者自身の力や理学療法士による手技、器具を使って身体を動かし、筋力や持久力、柔軟性、敏捷性、バランスといった身体機能の改善を目指します。

代表的な運動療法には、関節の可動域を広げる運動や筋力を増強する運動、筋持久力や協調性を高める運動、バランス運動、全身の持久力向上を目的とした運動などがあります。

また、座る・立つ・歩くといった動作や、食事や着替えといった日常生活動作(ADL)を練習することも運動療法の一環です。

物理療法による治療

電気、光、温熱、マッサージなどの物理的エネルギーを活用し、痛みの緩和や血流の促進、筋肉機能の改善を目指します。

代表的な物理療法には、患部を温める温熱療法、冷やす寒冷療法、超音波や電気刺激を用いる電気療法、水の浮力や水流を活用する水治療法などがあります。

補装具の適合判定と環境調整

理学療法士は、患者の生活の質を向上させるため、補装具の適合や生活環境の調整を行います。

補装具は、日常生活動作を支援するために欠かせないものですが、個々の身体状況や生活環境に合わせて適切なものを選ぶことが重要です。

理学療法士は、患者が最大限に補装具を活用できるようサポートし、生活の自立や機能回復を目指します。

補装具の選定と使い方の指導

補装具を選ぶ際、理学療法士は患者の動作や姿勢、活動範囲を考慮しながら最適なものを選定します。

選定後は、患者が補装具を正しく使えるよう指導を行い、装着や取り外しの方法から、実際の生活場面での使い方まで細かくサポートします。

正しい使用方法を習得することで、患者は補装具の効果を最大限に引き出し、生活動作がよりスムーズに行えるようになります。

家屋調査と生活環境の調整

理学療法士は、患者が自宅で安全に生活できるよう、家屋調査や生活環境の調整も行います。

例えば、手すりの設置や段差解消、浴室やトイレの使いやすさを改善するなど、患者の動線や生活動作に合わせて環境を整えます。

これにより、患者が補装具を使用する際の不便やリスクを軽減し、安心して生活できる環境が整います。

多職種との連携と記録管理

理学療法士は、医療チームの一員として多職種と連携しながら、患者の治療やリハビリを進めます。

医師や看護師をはじめとした関係者と適切な情報共有を行うことで、患者に最適なリハビリ計画を立案・実行することが可能になります。

また、リハビリの進行状況を正確に記録・報告することで、チーム全体の治療方針の改善に役立てられます。

医師・看護師との連携による治療支援

理学療法士は、医師や看護師と密に連携しながらリハビリを行います。

医師からは患者の診断や治療方針についての情報を受け取り、それに基づいてリハビリ計画を作成します。

また、看護師と日々のケアや患者の体調変化についての情報を共有し、必要に応じてリハビリの内容を調整することで、より効果的な治療を支援します。

家族や介護者への情報提供とサポート

患者がリハビリに取り組む上で、家族や介護者のサポートは大切です。

理学療法士は、家族や介護者にリハビリの内容や目的、日常生活でのサポート方法について説明し、患者が安全かつ効果的にリハビリを進められるよう支援します。

リハビリの進行状況や家庭でのケア方法に関する情報提供を行うことで、患者とそのサポート環境を整える一助となります。

リハビリ過程の記録と報告

理学療法士は、リハビリの進行状況や患者の反応を詳細に記録し、定期的に報告します。

リハビリの効果や患者の状態の変化を正確に把握するための記録は、治療方針の調整や治療効果の評価に欠かせません。

また、これらの記録は、医師や看護師といった他の医療スタッフとも共有され、チーム全体で治療を進めるための重要な資料となります。

健康教育・傷害予防

生涯を通じて健康に過ごせるよう、生活習慣病予防のための教育や運動指導、高齢者の介護予防、フレイル*予防などを行います。

*フレイル…加齢によって心身の運動機能や認知機能が低下し、健康障害が起こりやすくなった状態のこと

以上が、理学療法士の主な仕事内容でした。

続いて、理学療法士が活躍している場所をご紹介します。

理学療法士が活躍できる職場

理学療法士が活躍できる職場はさまざまです。

ここでは、各勤務先の特徴と、そこでの具体的な業務内容についてご紹介します。

医療機関(病院、クリニック)

日本理学療法士協会の調査によると、理学療法士の勤務先は約6割が病院やクリニックなどの医療施設です。

ただし、医療施設といってもその規模や形態はさまざまで、あらゆる疾患に対応する総合病院から、小規模な地域の診療所まで幅広く存在します。

医療施設での理学療法士の仕事内容も、勤務先によって大きく異なります。

たとえば、クリニックなどの個人病院では、整形外科の患者さんを対象に、物理療法や運動療法といったリハビリを行うことが一般的です。

一方、複数の診療科がある総合病院では、内科や脳神経外科、心臓外科など、さまざまな疾患を抱えた患者さんをサポートすることになります。

理学療法士の主な役割は、外傷や疾患で低下した身体機能の回復を支援することですが、長期入院患者の体力維持や、生活習慣病患者への運動指導も担当します。

また、医師が運営する病院や診療所以外にも、柔道整復師が運営する接骨院で働く理学療法士も見られます。

介護・福祉施設

近年、高齢者人口の急増に伴い、介護老人保健施設や老人ホーム、デイサービスセンターなどで働く理学療法士も増えており、全体のおよそ2割が介護施設で勤務しています。

高齢者向けの介護施設では、身体機能の回復を目指すリハビリというより、身体機能を維持するためのリハビリが中心となります。

高齢者は、傷の回復が遅い一方で体力や筋力の低下が早く進むため、わずかな外傷でも寝たきりになるきっかけになることがあります。

介護施設での理学療法士の役割は、まっすぐ歩く、転ばずに歩くといった指導を行い、ケガを未然に防ぐことです。

また、普段使わない筋肉を刺激するために、低負荷のマシントレーニングを用いた「パワーリハビリテーション」と呼ばれる手法を取り入れるケースもあります。

さらに、デイサービス(通所介護)センターでは、社会的な孤立感の解消や家族の介護負担の軽減を目的に、食事や入浴、レクリエーションのほか、入所施設と同様の機能訓練も実施しています。

地域リハビリテーションの現場

地域リハビリテーションとは、身体に障がいを持つ人が、慣れ親しんだ地域で安心して生活を続けられるように、さまざまな組織が協力してリハビリ支援を提供する取り組みです。

地域リハビリに携わる主な勤務先には、市町村が運営する地域包括支援センター、デイケア(通所リハビリテーション)センター、訪問リハビリテーション事業所などがあります。

通所リハや訪問リハは高齢者向けの介護サービスというイメージが強いかもしれませんが、実際には年齢に関係なく、けがや病気による障がいや後遺症を抱えるすべての人が対象です。

地域リハビリテーションにおける理学療法士の役割

地域包括支援センターで働く理学療法士は、患者さんが退院後に直面する可能性のある問題について考え、保健師や社会福祉士などと連携して、患者さんやご家族にアドバイスを行います。

また、地域の各施設と情報を共有し、必要に応じて患者さんのご自宅を訪問して話を伺い、適切な通所リハや訪問リハ、補助装具の活用を提案することも大切な役割です。

通所リハや訪問リハでの理学療法士の仕事は、入院時のリハビリと基本的には同じ内容です。

しかし、限られた時間内で効率的に進める必要があるため、患者さんのニーズに合わせて自宅でできる訓練プログラムを提案することも重要です。

さらに、孤立しがちな患者さんへの心のケアや、ご家族からの悩みや問題を聞き取り、他のスタッフと情報を共有して連携を図ることも理学療法士の大切な任務です。

地域リハに携わる理学療法士は、患者さんの生活に密着した支援ができるため、大きなやりがいを感じることができるでしょう。

スポーツ分野でのサポート

近年、スポーツリハビリテーションが独立した分野として確立されつつあり、野球やサッカー、格闘技など特定の競技に特化した治療を行う理学療法士も増えています。

こうした理学療法士は、故障した選手をできるだけ早く競技に復帰させるための治療に加え、身体機能を向上させるトレーニングプログラムの作成、けがの予防や疲労回復の指導なども行っています。

また、プロの選手だけでなく、部活動に励む中高生や大学生を対象としたサポートも行われています。

主な勤務先は、スポーツリハビリに力を入れている整形外科や接骨院、フィットネスジムなどで、プロスポーツチームと契約し、トレーナーとして活動する理学療法士もいます。

以上が、理学療法が活躍する主な職場についてのお話でした。

続いて、理学療法士の1日の仕事の流れをご紹介します。

彼らがどんな一日を過ごしているのか詳しくみていきましょう。

理学療法士の1日の仕事の流れ

理学療法士の1日の仕事の流れは、患者さんの状態に応じたリハビリテーションの計画・実施・評価を中心に進みます。

患者さん一人ひとりの症状や目標に合わせて個別の対応が求められるため、チームでの連携や継続的な観察が重要です。

ここでは、理学療法士の基本的な1日の流れを具体的にご紹介します。

リハビリの指示を受ける

理学療法士の1日は、医師からのリハビリ指示を受けるところから始まります。

医師が診断した結果や治療方針に基づき、リハビリの具体的な目標や内容が指示されます。

これを元に患者さんの症状や改善すべきポイントを確認し、適切なリハビリ計画を立てる準備をします。

また、看護師や他のスタッフからも、患者さんの最新の状態や注意事項について情報を共有されます。

リハビリ計画の作成と共有

医師からの指示をもとに、患者さんに合ったリハビリ計画を作成します。

計画には、運動療法や物理療法の内容、リハビリの頻度や回数などが含まれます。

この段階では、患者さんやその家族とも話し合い、リハビリに対する理解と同意を得ることも大切です。

また、看護師や介護スタッフと計画内容を共有し、チーム全体で同じ目標に向かって協力できるようにします。

リハビリ実施と経過観察

リハビリ計画に基づき、実際にリハビリテーションを開始します。

運動療法や物理療法を行いながら、患者さんの反応や体調の変化を細かく観察し、必要に応じて内容を調整します。

リハビリ中は、患者さんの不安や痛みの軽減にも気を配り、コミュニケーションを取りながら進めていきます。

また、進行状況を確認するため、患者さんの関節や筋肉の動き、痛みの度合いなども評価します。

リハビリ終了と経過報告

リハビリが終了したら、患者さんの当日の状況やリハビリの成果をまとめ、医師や他のスタッフに報告します。

また、経過報告には、患者さんのリハビリに対する反応や、達成できた内容、次回のリハビリでの目標なども含まれます。

患者さんや家族にも進捗を伝え、リハビリへの理解と協力を求めることで、継続的なリハビリを支援します。

以上が、理学療法士の1日の仕事の流れでした。

1日を通して患者さんと向き合う理学療法士には関連した職種が複数存在します。

そこで続いては理学療法士の関連職種をご紹介します。

理学療法士の関連職種

理学療法士には、患者のリハビリテーションや生活支援に携わるさまざまな職種が関連しています。

それぞれの職種が専門的な知識と技術を活かして、患者の生活の質を向上させるための支援を行っています。

ここでは、理学療法士と密接に関わる3つの関連職種についてご紹介します。

作業療法士

作業療法士は、身体や精神に障害がある患者に対し、日常生活動作や社会活動の改善を目指したサポートを行う専門職です。

理学療法士が主に運動機能の改善を目的としたリハビリを担当するのに対し、作業療法士は「作業」や「日常生活活動」を通して、患者が自立して生活できるように支援します。

たとえば、食事や着替えなどの基本的な生活動作の練習や、趣味活動など患者の社会参加を支えるアプローチを行うことが多いです。

理学療法士と連携し、患者の全体的な生活の質の向上を目指します。

言語聴覚士

言語聴覚士は、コミュニケーションや飲み込み(嚥下)に問題を抱える患者に対し、言語や聴覚、嚥下機能のリハビリを行う専門職です。

たとえば、言葉をうまく話せない、声が出にくい、聞き取りづらいといった問題や、食べ物をうまく飲み込めないといった困難を抱える患者を対象とします。

言語聴覚士は、リハビリを通して患者がコミュニケーションを取る力を高めたり、安全に食事ができるようサポートしたりするため、理学療法士とは異なる分野から患者の生活を支えています。

柔道整復師

柔道整復師は、骨折や脱臼、打撲、捻挫などのけがに対して、手技による施術を行う専門職です。

骨折や脱臼の応急処置や、スポーツ外傷の回復を促すために、主に整復(骨や関節を正しい位置に戻すこと)や固定、リハビリの指導を行います。

理学療法士と同様に身体機能の回復を目指していますが、手技療法を中心とする点で異なります。

柔道整復師はスポーツ分野でも活躍しており、選手のけがの予防や応急処置を通じて、理学療法士と協力しながら患者の早期回復を支えています。

理学療法士の関連職種である作業療法士・言語聴覚士・柔道整復師についてご紹介しました。

それぞれの違いを理解した上で、「やっぱり自分は理学療法士を目指したい」と感じたあなたに向けて、

続いては理学療法士になる方法についてご紹介します。

理学療法士のなり方

理学療法士のなり方は、指定の養成校で専門的な知識とスキルを学び、国家試験に合格する必要があります。

養成校には大学、専門学校、短期大学などがあり、それぞれのカリキュラムに基づいて医療知識やリハビリ技術を習得します。

卒業後、国家試験に合格することで理学療法士としての資格を取得し、病院や介護施設、スポーツ現場などさまざまな分野で活躍することが可能になります。

国家試験の概要

理学療法士国家試験は、厚生労働省が管轄する資格試験で、理学療法士として必要な知識と技術の理解度を確認するために実施されます。

試験科目には、解剖学や生理学、運動学といった基礎分野から、理学療法の臨床実技まで幅広い内容が含まれています。

受験資格を得るには、指定の養成校を卒業していることが条件です。

試験は毎年1回実施され、合格することで理学療法士の資格が与えられます。

合格率の推移

理学療法士国家試験の合格率は、例年80%前後と比較的高い水準を維持していますが、年度ごとに多少の変動があります。

近年では試験の難易度が上がり、内容も多様化していることから、しっかりとした学習と準備が求められています。

合格率は受験者の学習環境や試験の内容によっても左右されるため、養成校選びや学習計画が重要なポイントとなります。

以上が、理学療法士のなり方についての説明でした。

続いて、理学療法士の将来性についてみていきましょう。

理学療法士の将来性とキャリア展望

理学療法士の将来性とキャリアパスは、さまざまな方向性があり、それぞれに専門性を深めることができます。

まず、臨床分野で経験を積み、リハビリテーションの専門家としてキャリアを築くのが一般的なルートです。

病院や介護施設での経験を通じて、特定の分野に特化したスキルを持つスペシャリストとして成長することができます。

また、専門知識を深めるために大学院での研究や学会活動を通じた学術キャリアも可能です。

研究分野では、理学療法士としての新しい治療方法の開発や、効果的なリハビリテーション手法を研究することで、教育や指導の道にも進むことができます。

さらに、理学療法士としての経験を活かし、地域のリハビリテーション支援や企業との連携による健康増進活動など、多様な場面での活躍も期待されています。

理学療法士の需要と社会的役割

理学療法士は、少子高齢化が進む日本においてますます重要な職業となっています。

高齢者が増えることで、骨・関節の疾患や脳卒中後のリハビリテーションが必要な患者も増加しており、理学療法士の需要は高まる一方です。

また、医療機関や介護施設だけでなく、在宅医療の分野や地域のリハビリ支援にも理学療法士のニーズが拡大しています。

さらに、健康志向が高まる現代では、理学療法士が怪我の予防や健康維持・増進をサポートする役割も重要になっています。

スポーツリハビリテーションや、生活習慣病予防の指導なども含めて、理学療法士の社会的な役割は広がっており、予防医療や福祉分野においてもその専門性が求められています。

理学療法士の今後のキャリアパス

理学療法士のキャリアパスは、さまざまな方向性があり、それぞれに専門性を深めることができます。

まず、臨床分野で経験を積み、リハビリテーションの専門家としてキャリアを築くのが一般的なルートです。

病院や介護施設での経験を通じて、特定の分野に特化したスキルを持つスペシャリストとして成長することができます。

また、専門知識を深めるために大学院での研究や学会活動を通じた学術キャリアも可能です。

研究分野では、理学療法士としての新しい治療方法の開発や、効果的なリハビリテーション手法を研究することで、教育や指導の道にも進むことができます。

さらに、理学療法士としての経験を活かし、地域のリハビリテーション支援や企業との連携による健康増進活動など、多様な場面での活躍も期待されています。

以上が、理学療法士の将来性についてのお話でした。

続いて、理学療法士の魅力とやりがいについてみていきましょう。

理学療法士の魅力とは?やりがいや楽しさ

理学療法士としてのやりがいは、その仕事が患者さんの身体機能の回復や健康維持をサポートする大変意義のある仕事であるということです。

一対一でリハビリを行い、患者さんと共に目標に向かって取り組むため、成果を目に見えて感じることができます。

たとえば、歩行や運動ができるようになる瞬間を共有できるのは、理学療法士ならではの喜びです。

また、医療知識と運動指導のスキルを活かし、患者さんに「生きる喜び」や「活動する楽しさ」を提供できることも大きな魅力です。

理学療法士にとって、患者さんの回復が一番のやりがいです。

そんな理学療法士にも辛いことや大変なことはたくさんあります。

続いては、理学療法士の大変さについてみていきましょう。

理学療法士が感じる大変なこと

理学療法士として働く際に大変なことは、知識や技術が求められるだけでなく、精神的・肉体的な負担も伴うことです。

リハビリが順調に進む場合もあれば、患者さんが思ったように回復しないこともあるため、根気や忍耐が必要です。

さらに、患者さんやその家族からの期待に応えるための努力も欠かせません。

理学療法士のつらいこと

患者さんと長期的に関わり、目標を共有しながら進めていく中で、リハビリの効果が出にくいケースに直面することがあります。

患者さんが思うように回復しない場合、気持ちが折れそうになることも。

加えて、理学療法士は身体を使うことも多く、自身が体調不良になるリスクもあるため、体力の維持が求められます。

どんな場面で苦労を感じやすいのか

理学療法士が苦労を感じやすいのは、患者さんの家族の希望や期待に応えたいときです。

また、リハビリに前向きではない患者さんに寄り添い、モチベーションを上げていく必要がある場面も少なくありません。

こうしたコミュニケーションの難しさや、根気強く寄り添う姿勢が求められることが多いです。

理学療法士には、精神的・肉体的にも大変なことがたくさんあります。

そんな理学療法士に向いている人は一体どんな人なのでしょうか。

理学療法士に向いている人の特徴・適性とは?

理学療法士に向いている人の特徴や、必要なスキルについてご紹介します。

理学療法士に向いている人の特徴

  • コミュニケーション能力が高い
  • 常に学び続ける姿勢
  • 柔軟な姿勢や思考

理学療法士に向いている人の特徴は、まずコミュニケーション能力が高いことが挙げられます。

理学療法士は患者やその家族との密なコミュニケーションが欠かせません。

患者と信頼関係を築き、適切なサポートを提供するには、相手に寄り添ったコミュニケーションが必要です。

次に挙げられるのが、常に学び続ける姿勢を持っている人です。

医療の分野は日々進化しており、リハビリテーション技術も常に新しい方法が開発されています。

理学療法士がその知識や技術をアップデートし続けることで、患者に最良のケアを提供できます。

さらに、柔軟な姿勢や思考も求められます。

患者の状況や回復度合いは人それぞれ異なるため、各患者に応じた対応が必要です。

柔軟な思考で計画を変更したり、個々のニーズに合わせたリハビリを提供することで、より効果的な治療が可能になります。

これらの特徴を持つ人は、理学療法士として大いに活躍できるでしょう。

理学療法士に求められるスキルや性格

理学療法士には、人の体を扱う専門職として、解剖学や運動学の知識が必須です。

さらに、患者さんと丁寧に接するための優しさ、忍耐力、観察力も必要です。

リハビリは長期間にわたるため、患者さんの小さな変化に気づける洞察力や、目標を共有して励ます姿勢も重要です。

理学療法士に向いている人の具体例

理学療法士に向いているのは、人の役に立ちたい気持ちが強く、辛抱強く物事に取り組める人です。

また、スポーツや身体活動に興味がある方、健康維持に関心が高い方も適しています。

さらに、常に新しい医療技術や知識を学ぶことが好きな人にも向いている職業です。

以上が、理学療法士に向いている人の特徴でした。

人の役に立ちたい気持ちが強く、辛抱強く物事に取り組める人が向いている理学療法士というお仕事。

そんな理学療法士を目指すきっかけは人それぞれです。

志望動機にも使える、目指したきっかけをみていきましょう。

理学療法士を目指す理由・きっかけ

多くの人が理学療法士を目指す理由・きっかけは、誰かの役に立ちたい、健康をサポートしたいという強い思いにあります。

理学療法士を目指す志望動機の例

理学療法士を目指す理由としてよくあるのは、「怪我や病気を抱える人の力になりたい」「リハビリの現場で患者さんの回復を支えたい」という思いです。

また、スポーツ経験があり、自分の体験をもとにリハビリをサポートしたいと考える方も多いです。

理学療法士として働くことで得られるもの

理学療法士として働く中で、患者さんが目標を達成した瞬間に立ち会えるのは、何にも代えがたい喜びです。

また、医療知識やリハビリ技術の向上に努めることで、成長とやりがいを感じられる職業です。

以上が、理学療法士を目指す理由・きっかけについてのご紹介でした。

続いて、理学療法士の働き方・雇用形態についてみていきましょう。

理学療法士の働き方・雇用形態について

理学療法士の働き方には、正社員やパート、契約社員といった雇用形態があり、自分に合った働き方を選べる点も魅力です。

正社員・パート・契約社員などの雇用形態

理学療法士は、病院やクリニックでの正社員が一般的ですが、働く時間に合わせたパートや契約社員としての働き方も可能です。

勤務時間や希望する収入に応じて雇用形態を選ぶことができます。

理学療法士のキャリアパスの多様性

理学療法士は、病院勤務以外にも、訪問リハビリ、介護施設やスポーツ現場など、さまざまな職場で活躍できます。

キャリアを積んで専門性を高めたり、管理職や教育指導者としての道も開かれています。

以上が、理学療法士の働き方・雇用形態についてのお話でした。

続いて、理学療法士の勤務時間・休日・ワークライフバランスについて詳しくみていきましょう。

理学療法士の勤務時間・休日・ワークライフバランス

理学療法士の勤務時間は施設によって異なりますが、一般的には日勤が中心です。

休日や休暇についても働く場所により異なるため、職場ごとの条件を確認することが大切です。

勤務時間やシフトの例

理学療法士の勤務は通常、8時間のシフト制が多く、日勤がメインです。

ただし、訪問リハビリや介護施設では、勤務時間が柔軟なケースもあります。

理学療法士の休日・休暇について

理学療法士の休日は、病院では週休2日が基本ですが、施設によって異なる場合があります。

有給休暇や長期休暇の取得もできる環境が整っている職場も多いです。

以上が、理学療法士の勤務時間・休日・ワークライフバランスについてのお話でした。

最後に、理学療法士への転職と未経験者の採用についてのお話をしていきます。

理学療法士への転職と未経験者の採用

理学療法士は、異業種からの転職も少なくありません。

リハビリ分野に関心があれば、未経験から理学療法士を目指すことも可能です。

他職種から理学療法士に転職する場合

他職種から理学療法士への転職は、医療分野に興味があり、人の役に立ちたいと考える人に多いです。

実務経験がなくても、養成校で学びながら理学療法士を目指すことができます。

未経験から理学療法士を目指す方法

未経験で理学療法士を目指すには、まず理学療法士養成校に入学することが必要です。

資格取得後、実務経験を積むことで、リハビリのプロフェッショナルとしてキャリアを築くことが可能です。

以上が、理学療法士の転職事情と未経験者の採用のお話でした。

理学療法士は、患者さん一人ひとりの「もう一度自分らしく動きたい」「日常生活に戻りたい」という願いをサポートする専門職です。

ケガや病気で失われた身体機能の回復、そして健康な生活への復帰を目指し、リハビリテーションを通じて力強く寄り添います。

運動療法や物理療法を駆使し、歩行や日常の動作改善をサポートすることで、患者さんが「できること」を少しずつ増やせるように支援します。

また、高齢者の健康維持やスポーツ選手のパフォーマンス向上を目的としたケアも行い、幅広い年齢層のニーズに対応しています。

理学療法士は医療スタッフと協力しながら、患者さんの「前に進む力」を一緒に引き出す、心強いパートナーです。

あなたもそんな心強いパートナーとして、患者さんを支えてみませんか?

以下の記事では、理学療法士を最短で目指す方法について解説しています。

理学療法士を目指す方は、こちらも合わせてご参考にしてください。

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