「理学療法士はやめとけ」なんて言葉を耳にして、将来への不安を感じていませんか?

せっかく人の役に立ちたいと思い、この道を志したのに、「給料が低い」「仕事がきつい」「将来性がない」などのネガティブな評判を聞くと、心が揺らいでしまうものです。

本記事では、「理学療法士はやめとけ」と言われがちな理由を紐解きながら、対策や将来の展望についてわかりやすく解説していきます。

これから理学療法士を目指す方や、今まさにこの仕事に従事している方が、自信を持ってキャリアを積んでいけるように、ネガティブな面とポジティブな面の両方に目を向けながら具体的な解決策を提示します。

ぜひ最後までご覧ください。

理学療法士は「やめとけ」その理由

理学療法士を目指す人や、すでに理学療法士として働いている人の中には、「理学療法士はやめとけ」という言葉を耳にして不安になる方もいるでしょう。

ここでは、理学療法士が「やめとけ」と言われる理由を具体的に解説します。

平均年収が一般企業と比較して低め

理学療法士の給与水準は、医師や看護師と比べると低い傾向にあります。

また、同じ施設に長く勤めても昇給幅が小さい場合が多いため、大幅な年収アップが期待しにくいのも事実です。

厚生労働省の統計を見ても、理学療法士の平均年収は他の医療職種よりやや低めというデータが出ています。

そのため、他職種と比較して不満を抱きやすい面があるのは否めません。

経験や努力が必ずしも給与に直結しない

理学療法士は、診療報酬の点数に基づいて収益が決まる仕組みです。

同じ施術を行う場合、新人でもベテランでも点数や報酬がほぼ変わらないため、努力や経験が収入面で反映されにくい現状があります。

そうした評価体系に不満を覚え、「やめとけ」と言われる原因の一つになっていると考えられます。

人材の増加により、将来への見通しに不安を感じる

理学療法士は医療系の国家資格であるため、資格を取得しないと業務を行うことはできません。

しかし近年、理学療法士の供給数が需要数を上回りつつあり、2040年頃には働き先の確保がさらに難しくなる可能性も指摘されています。
求人情報を見比べても、医師や看護師に比べると理学療法士の求人は多くありません。

地方ではさらに求人数が少なく、「資格を取ったのに就職先がなかなか見つからない」という事態に陥るリスクも考えられます。

業務量が多く、長時間労働になりやすい

「理学療法士はやめとけ」と言われる大きな理由として、業務量の多さが挙げられます。

理学療法士の主な業務は、患者さんのリハビリ指導だけにとどまりません。

カウンセリング、リハビリ計画の作成、診療記録の記入など、多岐にわたる業務をこなす必要があります。

さらに、医師をはじめとする他の医療スタッフとの打ち合わせやカンファレンスへの参加、後輩や学生の指導も任されることが少なくありません。

加えて、土日祝日に開催される学会への出席を求められる場合もあり、人によっては十分に休みを取れないケースもあります。

こうした日々の忙しさから、「理学療法士は厳しい職業だ」と感じる人が多く、「やめたほうがいい」とアドバイスされる背景になっているのです。

同僚や患者さんとの人間関係で悩むケースが多い

人間関係のトラブルはどの職場でも起こり得ますが、医療・介護分野では先輩医師や同僚など、それぞれ強いこだわりや専門性を持った人が集まる傾向にあります。

そのため、意見の衝突やパワハラ的な行為が問題になりやすいケースも。

また、理学療法士は患者さんとの接触が密なため、人とのコミュニケーションでストレスが溜まりやすい職種といえるでしょう。

サービス残業が常態化している

理学療法士は、患者さんの対応やカルテ記入、書類作成などで勤務時間を超過しやすい職種です。

施設によっては残業代が支給されない“サービス残業”状態になることもあり、働く側にとって大きな不満となります。

特に民間の病院や中小の施設では、残業代の未払いが常態化しているケースもあるため、求人を選ぶ際は注意が必要です。

勉強会などが業務時間外に半ば強制的に行われる

新人理学療法士は特に、業務終了後や休日に研修や勉強会が行われる場合が多く、自分の時間が取りにくいという声も聞かれます。

こうした研修は自己研鑽の側面が強く、残業代や手当が出ない施設も少なくありません。

「休日は休みたい」「自由に過ごしたい」という思いを持っていても、それが叶わない可能性が高いのです。

キレイなことばかりではない

病院勤務の理学療法士の場合、患者さんのトイレ介助や嘔吐物の処理といった、必ずしも清潔とは言えない業務を担うこともあります。

また、患者さんや利用者さんが必ず回復に向かうわけではなく、時には死と向き合わなければならない場面も出てきます。

そのような経験が続く中で、精神的に疲弊してしまう人がいるのも事実です。

医療の仕事はイメージと現実にギャップが生じやすく、筆者の友人のように多忙さや人間関係の悩みからうつと診断され、休職を余儀なくされるケースも見受けられます。

こうした厳しい現場の実態や、決して楽で清潔な仕事ばかりではないという現実が、理学療法士を「やめとけ」と言われる一因になっているのです。

以上が、理学療法士が「やめとけ」と言われるその理由でした。

「理学療法士はやめとけ」と言われるのには、就職難や低い給与水準、努力が評価されにくい点など、いくつかの理由があります。

さらに、人間関係のストレスやサービス残業、休日の研修などの負担も加わり、理学療法士という職業に対するネガティブなイメージが生まれがちです。

とはいえ、理学療法士には患者さんの回復をサポートする大きなやりがいもあり、働き方や職場環境をしっかり見極めれば、充実したキャリアを築くことができるでしょう。

続いて、理学療法士が「やめとけ」と言われる理由は本当なのか、仕事の将来性の観点からみていきましょう。

「やめとけ」って本当なの?理学療法士の仕事の将来性

理学療法士が「やめとけ」と言われるように、理学療法士の仕事にも将来性や待遇面でネガティブな側面があるのは事実です。

しかし、すべてが悲観的なわけではありません

理学療法士の仕事に関するさまざまな実情・将来性をお伝えしたいと思います。

理学療法士の需要は今後も高まる

日本理学療法士協会の統計(2021年3月現在)によると、約13万人の会員のうち、8万5000人ほどが病院やクリニックなどの医療機関で勤務しており、全体の約7割近くを占めています。

しかし、高齢化が加速する日本では、今後は介護分野のニーズが高まると予想されます。

とりわけ訪問リハビリの求人が増加傾向にあり、新規事業所のオープンも続いています。

こうした状況から、在宅サービスでのリハビリ需要がさらに拡大していくことが見込まれます。

転職やインセンティブ次第では給料・収入アップが可能

理学療法士が収入を上げる方法は、一つの職場に長く在籍して昇給や役職による手当を獲得するだけではありません。

収入アップを目指して転職するという選択肢も大いにあり、実際に筆者自身も転職を経て年収が100万円近く上がりました。

また、訪問リハビリ施設の中には、件数に応じてインセンティブが支給されるところもあります。

多くの利用者を担当するほど収入が増える仕組みになっているため、訪問分野での働き方を選択することで、さらなる年収アップが期待できるでしょう。

副業の幅が増えている

近年は副業で収入を増やす理学療法士が増えています。

主な副業の例:

  • セミナー講師
  • WEBライター
  • パーソナルトレーナー
  • 週末整体院の運営 など

いずれも理学療法士としての専門知識や技術を応用できるため、本業に加えて収入面を補強し、仕事の幅も広げられるのがメリットです。

ただし、勤務先の就業規則によっては副業が禁止されている場合もあるため、事前の確認を忘れないようにしましょう。

以上が、理学療法士は「やめとけ」という理由が本当なのか、理学療法士の仕事の実際についてでした。

「理学療法士はやめとけ」…でもちょっと待って!理学療法士のメリットをみていきましょう。

「理学療法士はやめとけ」…でもちょっと待って!理学療法士のメリットもたくさん!

これまで「理学療法士はやめとけ」といったネガティブな側面ばかりを紹介してきましたが、当然ながらメリットも数多く存在します。

ここでは、理学療法士として働くことで得られるさまざまなメリットをご紹介します。

さまざまな人と深く関わる機会が得られる

理学療法士は、同じ職場で働くスタッフや地域住民、ケアマネージャーなど、多様な人々とコミュニケーションを取りながら仕事を進めます。

患者さんに合わせて他職種の業務が円滑に進むようサポートする場面もあるため、自然とコミュニケーション力が養われるでしょう。

患者さんやスタッフとの連携がうまくいくほど仕事がスムーズになり、やる気やモチベーションアップにもつながります。

自身のスキルアップや学びを続けやすい

新人の頃は先輩スタッフにアドバイスをもらい、自分では気付けなかった問題点に気付くことが多いかもしれません。

しかし、患者さんの症状は一人ひとり異なるため、経験を重ねるうちに多角的なアプローチができるようになり、着実に成長を実感できます。

成長を感じながら働ける仕事は限られているため、「自分を高めながら働きたい」という方にとっては、大きな魅力と言えるでしょう。

仕事に大きな達成感を見いだせる

理学療法士は直接人と関わる仕事なので、担当した患者さんやそのご家族から直接感謝される機会も多いです。

患者さんと長い期間関わることもあるので、体調や体力が回復していく過程を間近で見守りながら成果を実感できます。

ときには、回復を喜んだご家族から涙ながらにお礼を言われることもあり、それがさらなるやりがいやモチベーションに繋がります。

国家資格があるため、職業としての安定性が高い

理学療法士は国家資格を取得する必要があり、一度資格を取得してしまえば、専門知識を活かして働き続けられます。

給与水準が特別高いわけではないものの、専門職ならではの安定した収入と雇用が期待できます。

女性の場合、結婚や出産で一時的に仕事を離れても、資格があるおかげで復職しやすい点も大きな強みです。

夜勤の負担が少なく、規則正しい生活を送りやすい

医師や看護師と違って夜勤が発生しないことが多いのも、理学療法士の特徴です。

残業はあり得るものの、不規則なシフト制や夜勤が少ないので、家族がいる方でも生活リズムを崩さず働きやすい環境を選べる可能性が高いです。

職場を変えたり再び働き始めたりしやすい環境がある

理学療法士の資格を保有しているだけで、転職や復職のハードルが下がります。

病院や介護施設だけでなく、セミナー講師やパーソナルトレーナーなど、資格とこれまでのキャリアを活かして新たなフィールドで活躍する道も開けます。

収入アップを目指すこともできるため、自分の可能性をさらに広げたい人にとっては大きなメリットと言えるでしょう。

このように、理学療法士はやめとけと言われる一方で、理学療法士として働くことで得られるメリットもたくさんあります。

続いて、理学療法士に向いている人の特徴をご紹介します。

理学療法士に向いている人の特徴


理学療法士に向いている人の特徴を解説します。

  • 追求心がある人
  • コミュニケーション能力が高い人
  • 忍耐力がある人
  • 健康的な人
  • 洞察力がある人

これらの要素のうち、一つでも当てはまる方は理学療法士を目指す選択肢を検討してみてください。

コミュニケーション能力が高い人

理学療法士は直接患者さんと接しながらリハビリを行うため、コミュニケーションの質が業務の成否に大きく影響します。

患者さんの声に耳を傾け、適切なフィードバックやアドバイスを行うことで、信頼関係を築きやすくなります。

どれほど高度な知識や技術を持っていても、コミュニケーションが苦手だと業務にストレスを感じてしまうこともあるため、人とやり取りするのが好きな方に適した仕事といえます。

追求心がある人

理学療法士は、国家資格を取得した後も絶えず新しい知識や最新の研究成果を身に付ける必要があります。

医療やリハビリテーションの分野は日々進歩しているため、常にアップデートされた情報を使って、患者さんを効率的かつ安全にケアすることが求められます。

最先端の治療法や医療機器の活用法を探求する姿勢があると、仕事へのモチベーションが高まり、より多くのやりがいを感じられるでしょう。

忍耐力がある人

リハビリ業務は、多くの場合、長期間にわたって患者さんを支援することになります。

理想通りに進まないケースも少なくありませんが、それは「人」を相手にするからこその当たり前の状況です。

こうした場面で大切なのが、根気強く関わり続ける忍耐力です。

すぐに成果が見えなくても粘り強くサポートを続けられる人は、理学療法士として患者さんにとって大きな存在になるでしょう。

洞察力がある人

理学療法士は、一人ひとり違う身体の状態や生活環境に合わせたリハビリプログラムを考え、必要に応じて軌道修正を行います。

細かな変化や異変を見逃さない洞察力を養い、多角的な視点からアプローチできることが重要です。

患者さんの容体に合わせて柔軟に対応し、常に最善の選択肢を探求する姿勢が高い成果につながります。

健康的な人

理学療法士の仕事は、患者さんの健康面を支えるものです。

自分自身が健康的な生活を送っていないと説得力に欠けますし、体力を要する業務も多いため、体調管理は欠かせません。

規則正しい生活を維持し、十分な休息をとりながら働くことができる人は、長期にわたって理学療法士として活躍しやすいといえます。

以上が、理学療法士に向いている人の特徴でした。

次に、「理学療法士はやめとけ」と言われる、向いてない人の3つの特徴をご紹介します。
「理学療法士はやめとけ」向いてない人の3つの特徴


「理学療法士はやめとけ」と言われてしまう、理学療法士に向いてない人はどのような人でしょうか。

ここでは、理学療法士が向いてない可能性が高いタイプを3つのポイントに分けて解説します。

高収入を目指したい方

理学療法士の平均年収はおよそ410万〜430万円ほどで、国内の平均年収と比べるとやや低めの水準です。

もちろん就職先や経験によって差はありますが、大幅な昇給を期待するのは難しい職種といえます。

「高い年収を得たい」「少しでも平均以上の収入が欲しい」という気持ちが強い人にとっては、不満がたまりやすいかもしれません。

反対に、年収よりも安定ややりがいを重視する人には、理学療法士の仕事は適していると言えるでしょう。

人と接するのが得意ではない方

理学療法士の仕事は、多職種や患者さん、そのご家族との関わりが非常に多いのが特徴です。

リハビリを進める上では、患者さんを励ましながら目標や計画を一緒に立てる必要があります。

また、医師や看護師、他のスタッフとの連携も不可欠です。

そのため、人とコミュニケーションを取りながら協力して物事を進めるのが苦手な人にとっては、理学療法士としての業務がストレスに感じやすい傾向にあります。

仕事への責任感や向上心に欠ける方

理学療法士は、患者さんの状態を把握しながらリハビリを行うため、高い責任感とプロ意識が求められます。

適切な知識や技術を身につけずにリハビリを行えば、患者さんの症状の悪化を招くリスクがあるからです。

また、医療分野は常に新しい研究や技術が生まれる世界でもあります。

新たな知見やスキルを積極的に学ぶ姿勢がないと、現場で通用しづらくなる可能性も高いでしょう。

「勉強するのは苦手」「仕事に関してあまり意欲がわかない」という人には、理学療法士は厳しい職種かもしれません。

以上が、「理学療法士はやめとけ」と言われる向いてない人の3つの特徴でした。

次に、「理学療法士はやめとけ」それでも理学療法士に挑戦したい方に向けてお伝えしたいことがあります。

「理学療法士はやめとけ」?それでも挑戦したい方へ

理学療法士はやめとけと言われても、あなたが目指したいのであれば関係ありません。

理学療法士を本気で目指すなら、あらかじめ意識しておきたいポイントがあります。

以下の4つを中心に押さえておきましょう。

昇給しにくい点をあらかじめ理解しておく

理学療法士は長期的に給料が上がりにくい職種です。

努力や経験がなかなか給与に反映されず、理不尽に感じることもあるかもしれません。

しかし、あらかじめ「昇給しづらい」という業界の現状を知っておくと、ある程度割り切って考えられるようになります。

理学療法士として働くうえで、この点を把握しておくことは大切です。

転職を含め、他の事業所での可能性も探ってみる

理学療法士は業界全体として年収が低めな傾向はありますが、中には平均以上の給料を用意している事業所も存在します。

資格さえあれば地域を問わず求人を探しやすい職種なので、より待遇の良い職場への転職も一つの選択肢です。

身につけたスキルを活かし、副業で収入アップを目指す

勤務先の規定によっては副業が認められている場合もあります。

休日などを利用してパーソナルトレーナーや整体院、セミナー開催、執筆活動など理学療法士として培った専門知識を活かせる副業を検討してみましょう。

副業を始める際は、まずは就業規定を確認することが大切です。

どうしても合わないと感じたら、思い切って他職種への転身も検討する

実際に働いてみて、「理学療法士が自分に合わない」と感じる場合は、思い切ってキャリアを変更することも考えましょう。

自分の強みを改めて見直すことで、意外な適性ややりがいを発揮できる職種に出会えるかもしれません。

転職を機に年収やキャリアが向上するケースも少なくありません。

以上が、やめとけと言われても、理学療法士に挑戦したい方に向けてお伝えしたいことでした。

理学療法士として働くには、こうした現状や選択肢を踏まえながら、自分に合ったキャリアを築いていくことが大切です。

続いて、「やめとけ」と言われる理学療法士の離職について深堀していきます。

​「理学療法士はやめとけ」と言われる理由の一つ。理学療法士は離職率が高い?

理学療法士の中には実際に離職を選ぶ方もいますが、退職のタイミングや働く施設の種類によって離職率に差があるのも事実です。

データをもとに、自身の働き方を考えるうえでの目安をつかむことができます。

ここでは、「理学療法士はやめとけ」と言われる理由の一つである離職率について詳しく解説します。

離職率と、平均勤続年数という2つの視点から、理学療法士の方がどのような時期に退職を選びやすいのかを解説していきます。

離職率について

理学療法士の離職率は、勤務する施設の種類によって異なります。

医療機関における平均離職率は10.2%、介護福祉分野では18.8%と、一般的に介護福祉領域のほうが高い傾向にあります。

さらに細かく見てみると、医療領域の中で最も離職率が低いのは高度急性期(6.8%)。

一方、福祉領域の中で最も高いのは訪問リハビリ(37.4%)です。以下が各施設ごとの離職率です。

医療領域

  • 高度急性期:6.8%
  • 急性期:9.4%
  • 回復期:10.7%
  • 慢性期:12.6%

福祉領域

  • 介護老人保健施設:20.5%
  • 訪問リハビリ:37.4%
  • 訪問看護:17.3%
  • 通所リハ:19%
  • 通所介護:19.6%
  • 特別養護老人ホーム:9%
  • その他:20%

(出典:「2016年(平成28年)医療従事者の需給に関する検討会」日本理学療法士協会)

退職しやすい時期はいつ?

理学療法士が離職を検討する時期としては、平均勤続年数のデータが参考になります。

厚生労働省「令和4年度賃金構造基本統計調査」によれば、理学療法士の平均勤続年数は7.4年です。

新卒から7.4年勤務すると、年齢的には30歳前後になる方が多いでしょう。

この年代は家庭の事情やキャリアの転換など、人生設計を見直すタイミングでもあります。

そのため、この時期に転職や離職を考えるケースが増えると考えられます。

理学療法士の離職理由とは?多い退職理由をピックアップ

理学療法士は国家資格であるため、医療や福祉など多方面の転職先が豊富です。

その分、離職を考える理由もさまざま。

ここからは、理学療法士の方が特に多く挙げる4つの退職理由をご紹介します。

自分のキャリアや働き方を見直すきっかけになるかもしれませんので、ぜひ参考にしてみてください。

1.給料の低さ

理学療法士が離職を検討する要因の一つに「給与水準の低さ」があります。

厚生労働省が令和4年度に実施した「賃金構造基本統計調査」によると、理学療法士の平均年収は約429.8万円、月収は約30.0万円です(※非正規雇用を含む残業代などを加味して算出)。

一方、非正規雇用が多い職種であることから、正社員に比べ昇給が見込めないケースも珍しくありません。

こうした現状から、正規雇用で働ける職場や残業の少ない環境を求めて転職を決断する理学療法士が多くいるのが実情です。

2. 人間関係

人間関係に悩む理学療法士も少なくありません。

患者さん以外にも家族、同僚、上司など、多くの人と関わる仕事だからこそ、苦手な相手とのコミュニケーションが負担となり、結果として離職を選ぶケースがあります。

このような場合、物理的に距離を置けば対人関係のストレスから解放されることもあり、「理学療法士という仕事自体は好きだが、人間関係が原因で退職する」という方もいます。

3. 家庭の都合

結婚や出産、介護、引っ越しなど、人生の転機となるライフイベントも離職の大きな要因です。

現状の職場での働き方が難しくなった場合、家庭に専念したり、通いやすい職場や別の仕事を探したりするため、離職を選択する理学療法士も存在します。

4. キャリアアップ

キャリアアップを目指して職場を変える理学療法士も多くいます。

非正規雇用から正規雇用への転職、医療領域と介護・福祉領域の間の移動など、その理由や目的はさまざまです。

患者さんのタイプや施設の規模が変わるだけで働きやすさが格段に向上し、給与や待遇も大きく改善されるケースがあります。
一方、現場が変わることで新たなスキルや経験を積めるメリットも大きく、「今の職場では得られない成長機会を求めて転職する」という理学療法士も少なくありません。

離職理由は人それぞれですが、給料や人間関係、家庭の事情、キャリアアップなど、理学療法士としての働き方を変えるきっかけになる要因は数多く存在します。

自分が今どんな問題を抱えているのかを見極め、必要に応じて転職や職場環境の改善などを検討してみると、より納得できるキャリアプランが描けるかもしれません。

ここでは、「理学療法士はやめとけ」と言われる理由の一つである離職率について詳しく解説しました。

理学療法士という職業にネガティブなイメージがつきまといがちな理由には、給与水準や労働環境の厳しさ、人間関係の難しさなど、実際に課題が存在していることが挙げられます。

しかし、それらの問題は働く職場や自己研鑽の度合い、そして将来の選択肢次第で改善や克服が可能です。

以下の記事では、理学療法士として「勝ち組」を目指す方法について解説しています。

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高齢社会において需要が高まる医療・介護分野で、理学療法士の専門性はますます重宝されており、スポーツや在宅リハビリの分野でも活躍の場が拡大しています。

もし「やめとけ」という声に迷いが生じても、まずは実際に理学療法士として働く先輩たちの体験談や、最新の求人動向、キャリアアップの具体例などをリサーチしてみましょう。

自分の目的や得意分野を理解し、適切な職場選びやスキルアップを図れば、理学療法士としての道は十分に切り拓けます。

仕事の大変さだけでなく、多くの患者さんや利用者と深い信頼関係を築き、「ありがとう」と言われる瞬間こそが、この職種ならではの大きなやりがいです。

自分に合った働き方を見つけ、理学療法士としての可能性を最大限に引き出していきましょう。