言語聴覚士の仕事内容を詳しく解説！資格・年収・役割について
言語聴覚士（ST）は、ことばや聴覚、飲み込み（嚥下）に関するリハビリを専門とする医療職です。
病院や介護施設、学校など幅広い現場で活躍し、赤ちゃんから高齢者まで、さまざまな年齢層の方をサポートします。
「言語聴覚士の具体的な仕事内容は？」「資格を取るにはどうすればいい？」「年収はどれくらい？」と気になる方も多いのではないでしょうか？
本記事では、言語聴覚士の仕事内容や必要な資格、年収の目安、役割について詳しく解説します。
言語聴覚士を目指したい方や、興味のある方はぜひ参考にしてください。
【仕事内容】言語聴覚士とは
「厚生労働大臣の免許を受け、音声機能、言語機能、または聴覚に障害のある人に対し、その機能の維持・向上を目的とした言語訓練や各種検査、助言・指導などの支援を行う専門職」と定義されています。
つまり、言語聴覚士の仕事内容は、言葉によるコミュニケーションに困難を抱える方々に専門的な支援を提供し、より良い生活を送れるようサポートすることです。
言語や聴覚に関する問題は、脳卒中後の失語症、聴覚障がい、言葉の発達の遅れ、声や発音の障がいなど多岐にわたります。
これらの課題は小児から高齢者まで幅広い年代で見られるのが特徴です。
言語聴覚士は、それぞれの症状の原因や発生メカニズムを明らかにするために検査・評価を行い、必要に応じて訓練や指導、助言などの支援を実施します。
患者さん一人ひとりに適した方法でリハビリを行い、コミュニケーション能力の向上を目指す重要な役割を担っています。
以上が、言語聴覚士の概要と仕事内容でした。
続いて、言語聴覚士の仕事内容をわかりやすく解説します。
言語聴覚士の仕事内容をわかりやすく解説
言語聴覚士法では、言語聴覚士の業務について「医師や歯科医師の指示のもと、嚥下訓練や人工内耳の調整など、厚生労働省令で定める行為を行うことができる」と定められています。
対象となる患者はこどもから高齢者まで幅広く、それぞれ異なる課題を抱えています。
一人ひとりの症状や原因を見極め、最適なリハビリテーションを提供し、症状の改善を目指すことが言語聴覚士の役割です。
具体的な業務内容を紹介します。
① 摂食・嚥下の訓練
食べ物を飲み込む際にむせる、口からこぼれるなどの嚥下障がいに対し、原因を特定し適切な対処を行います。
飲み込みは通常反射的に行われますが、脳の損傷などによって機能が低下することがあります。
そのため、反射を高めるための訓練や食事形態の調整を行います。
② 成人の言語・認知訓練
認知症や脳梗塞、事故の後遺症などで言葉がうまく話せない、表現できないといった言語障がいに対するリハビリを行います。
患者さんが自分の意思を伝えられるように、個別のプログラムを組み、機能訓練やリハビリを実施します。
③ 発声・発語の訓練
失語症、構音障がい、音声障がい、高次脳機能障がいなどを持つ方に対し、原因を分析しながら発話訓練を行います。
社会生活への復帰を目指し、患者に応じた発音や発声のトレーニングを行います。
④ 小児の言語・認知訓練
言葉の発達が遅れているこどもに対し、絵本を使って言葉を引き出したり、文字の習得をサポートしたりします。
また、家族や学校と連携し、こどもが言葉を学びやすい環境を整える役割も担っています。
⑤ 聴覚の支援
先天的な聴覚障がいや、事故・加齢による後天的な聴覚障がいを持つ方に対し、聴覚検査やヒアリングを通じて障害の状況を把握し、言語訓練を行います。
また、補聴器や人工内耳の調整を行い、日常生活での聞こえをサポートします。
言語聴覚士は、患者さんの生活の質（QOL）を向上させるために重要な役割を担う職業です。
専門知識と技術を活かし、一人ひとりに寄り添ったリハビリを提供します。
言語聴覚士の給料について
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、2022年における言語聴覚士の平均給与は以下の通りです。
ただし、この数値には理学療法士、作業療法士、視能訓練士の給与も含まれた平均額となっています。
言語聴覚士の平均給与（2022年）
| 月給 | 年間賞与など | 年収 |
|---|---|---|
| 約30.1万円 | 約69.8万円 | 約431万円 |
（出典：厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」）
また、国税庁が実施した「民間給与実態統計調査」によると、2021年の給与所得者全体の平均年収は443万円となっています。
それと比較すると、言語聴覚士の平均年収はやや低めの水準にあると言えるでしょう。
（出典：国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」）
しかし、言語聴覚士の収入はキャリアを積むことで上昇する傾向にあります。
実際に、厚生労働省の同調査によると、年齢別の給与推移は以下のようになっています。
- 20～24歳：月給 約25.2万円 / 年収 約335万円
- 55～59歳：月給 約38.8万円 / 年収 約570万円
このように、経験を積むことで収入が上がる可能性が高いことが分かります。
さらに、職場の制度や手当を活用すれば、給与アップを目指すことも可能です。
例えば、認定言語聴覚士の資格取得や役職への昇進により、待遇が向上するケースもあります。
給与面を考える際は、資格取得やスキルアップの機会がある職場を選ぶことも重要なポイントとなるでしょう。
以上が、言語聴覚士の仕事内容についての解説でした。
続いて、言語聴覚士の主な仕事内容と役割についてみていきましょう。
言語聴覚士の主な仕事内容と役割
言語聴覚士の主な仕事内容であるリハビリは、それぞれの障がいや症状に応じて異なります。
（出典：一般社団法人 日本言語聴覚士協会「言語聴覚士とは」/ https://www.japanslht.or.jp/what/）
以下では、障がいの種類ごとに言語聴覚士の役割とリハビリ方法について詳しく紹介します。
言語障がいへの療法
言語障がいにはさまざまな種類がありますが、ここでは代表的な3つの障がいについて解説します。
① 失語症
失語症とは、脳の言語中枢が損傷を受けることで、これまで習得した言語の知識が失われる障がいです。
主な症状として、言葉が出にくくなる、相手の話が理解できない、言葉の言い間違いが増える、発音が難しくなるなどが挙げられます。
リハビリ方法としては、日記や手紙の作成、市販のドリルを使った文字の書き取り練習などが一般的です。
② 言語発達遅滞（こどもの言葉の遅れ）
言語発達遅滞とは、こどもの言葉の理解や発話の発達が遅れている状態を指します。
原因は、成長の個人差によるものから、発達や聴覚の問題までさまざまです。
リハビリでは、こどもの発達状況に応じたトレーニングを実施するとともに、学習しやすい環境を整え、ご家族と連携しながら進めていきます。
③ 発音・発声の障害
発音や発声に問題がある場合も、言語聴覚士によるリハビリの対象となります。
原因として、声帯や唇・舌の異常、脳や神経の疾患による発音機能の低下などが考えられます。
リハビリでは、適切な姿勢や呼吸法の指導、口の運動を取り入れた発声練習を行い、スムーズな発話ができるよう支援します。
聴覚障がいへの療法
聴覚障がいは、音の認識に関わる経路に問題が生じることで、音や声が聞こえにくくなる状態を指します。
聴覚障がいの程度は個人によって異なり、高齢者だけでなく若年層にも発症することがあります。
言語聴覚士は、正確な診断を行ったうえで、患者さんの希望や状況に応じたリハビリを提供します。
多くの場合、補聴器を使用したリハビリが行われ、患者さまに適した補聴器の選定も重要な役割の一つです。
補聴器の種類には以下の3つがあります。
- 耳かけ型：耳の後ろにかけて使用するタイプで、一般的に音量調整がしやすい。
- 耳あな型：耳の穴に収まるタイプで、目立ちにくく装着感が良い。
- ポケット型：コードでつながった本体をポケットなどに収納して使用するタイプで、操作が簡単。
言語聴覚士は、これらの特徴を理解し、患者さんに最適な補聴器を提案することが求められます。
（出典：一般社団法人 日本言語聴覚士協会「言語・聴覚・嚥下障害とは」/ https://www.japanslht.or.jp/consultation/）
嚥下障がいへの療法
嚥下障がいとは、食べ物を口に入れて飲み込む動作がスムーズに行えない状態を指します。
食べ物がうまく喉を通らないことで、栄養不足や脱水のリスクが高まり、誤嚥性肺炎の原因にもなるため、適切なリハビリが必要です。
嚥下障害のリハビリには、「直接訓練」と「間接訓練」の2種類があります。
① 直接訓練（食べ物を使ったリハビリ）
- 食品調整：患者さんの好みに合わせ、食材の形状ややわらかさを調整。
- 複数回嚥下：一口の食べ物を一度に飲み込むのではなく、複数回に分けて嚥下する練習。
② 間接訓練（食べ物を使わない基礎トレーニング）
- リラクゼーション：肩や首をストレッチし、嚥下動作をスムーズにする。
- 感覚向上訓練：アイスマッサージなどで口腔の感覚を刺激し、飲み込む力を高める。
嚥下障がいのリハビリは早期に始めることで、誤嚥リスクを軽減し、安全に食事を楽しめるようになります。
以上が、言語聴覚士の主な仕事内容でした。
言語聴覚士は、言語・聴覚・嚥下の機能に障害を持つ方々をサポートする専門職です。
それぞれの障がいに応じた適切なリハビリを提供することで、患者さんの生活の質（QOL）を向上させる役割を担っています。
リハビリ方法は障がいの種類によって異なりますが、個々の状態に合わせた専門的なアプローチを行うことが重要です。
早期のリハビリ開始が回復を促進するため、気になる症状がある場合は、言語聴覚士に相談することをおすすめします。
続いて、言語聴覚士の働く場所別の仕事内容をみていきましょう。
【仕事内容】言語聴覚士の働く場所と仕事内容の違い
言語聴覚士の働く場所とそれぞれの仕事内容の違いを解説します。
日本言語聴覚士協会の調査によると、会員の約60%が医療機関で勤務しています。
（出典：一般社団法人日本言語聴覚士協会「日本言語聴覚士協会について」/https://www.japanslht.or.jp/about/trend.html）
医療機関での勤務
主な職場として、大学病院や総合病院のリハビリテーション科、耳鼻咽喉科、形成外科、小児科、リハビリテーション専門病院などが挙げられます。
これらの医療機関では、患者さんの言語・聴覚機能の評価やリハビリテーションを中心に業務を行います。
介護・福祉施設での勤務
医療機関に次いで多いのが、介護・福祉施設での勤務です。
具体的な職場には、老人保健施設、特別養護老人ホーム、障害者福祉センターなどがあります。
近年では、訪問看護事業所や訪問リハビリテーション事業所に所属し、在宅療養を支援する言語聴覚士の需要も増加しています。
教育機関での勤務
一部の言語聴覚士は、中学校や特別支援学校などの教育現場で活躍し、言語発達の遅れに対する訓練や指導を行っています。
言語聴覚士の1日のスケジュール（病院ver）
病院に勤務する言語聴覚士の1日のスケジュールの一例を紹介します。
病院ごとに業務内容は異なりますが、基本的な流れとして参考にしてください。
8:30 出勤・朝礼
リハビリ科や言語聴覚部門のスタッフと朝礼を行い、伝達事項の確認や患者の情報共有をします。
9:00 リハビリテーションの実施
患者の状態に応じたリハビリテーションを行います。
リハビリ室で実施することが多いですが、移動が難しい患者さんの場合は病室で対応することもあります。
12:00 摂食・嚥下評価と訓練
食事中の嚥下機能を評価し、必要に応じて訓練を実施します。
13:00 休憩
昼食を取り、休憩時間を過ごします。
14:00 カンファレンス
医師や看護師、管理栄養士などと連携し、患者さんの治療方針やリハビリ計画について話し合います。
16:00 事務作業
カルテへの記録や、リハビリ計画書・報告書の作成を行います。
17:30 終礼
1日の業務を振り返り、患者の状況を報告します。終礼後には勉強会が行われることもあります。
カンファレンスとは？
カンファレンスは、患者さんの治療やリハビリの方針を決めるための会議です。
言語聴覚士だけでなく、医師や看護師、管理栄養士などが参加し、情報を共有しながら最適なケアを検討します。
言語聴覚士の1日のスケジュール（介護福祉施設ver）
介護福祉施設に勤務する言語聴覚士のスケジュール例も紹介します。
施設によって仕事内容は異なりますが、以下は一般的な流れの一例です。
8:30 出勤・朝礼
全体の朝礼後、医療職のスタッフが集まり、連絡事項の確認や利用者の情報共有を行います。
9:00 リハビリテーションの実施
利用者一人ひとりに応じたリハビリを提供します。
施設内を巡回し、利用者の状態を確認することもあります。
12:00 摂食・嚥下評価と訓練
昼食時に嚥下機能の評価を行い、必要に応じて訓練を実施します。
13:00 休憩
昼食を取り、休憩時間を確保します。
14:00 機能訓練
利用者の生活の質を向上させるため、必要な機能訓練を行います。
16:30 事務作業
リハビリの記録や報告書の作成を行います。
17:30 終礼
1日の業務を振り返り、明日への申し送りを行います。
介護福祉施設では、医療機関よりも利用者の生活に密接に関わる機会が多くなります。
施設によっては、レクリエーション活動に参加することもあり、利用者とのコミュニケーションがより重視される環境です。
以上が、言語聴覚士の働く場所ごとに仕事内容の違いについてのお話でした。
言語聴覚士の勤務先は多岐にわたり、医療機関・介護福祉施設・教育機関など、さまざまな場所で活躍できます。
特に医療機関や介護福祉施設では、リハビリを通じて患者や利用者の生活を支える重要な役割を担っています。
働く環境によって1日の業務内容は異なりますが、いずれの職場でも専門的な知識と技術を活かしながら、人々の健康を支えるやりがいのある仕事です。
自分に合った職場を見つけ、言語聴覚士としてのキャリアを築いていきましょう。
続いて、言語聴覚士にとってのやりがいについてみていきましょう。
言語聴覚士にとってのやりがいとは？
ここでは、代表的な2つのポイントを紹介します。
① 需要が高まり続けている職業
言語聴覚士は、「話す」「聞く」「食べる」「認知する」ことが困難な方の機能回復を支援する専門職です。
医療機関だけでなく、介護施設や保健施設、教育機関など幅広い分野でその知識とスキルが求められています。
特に高齢化が進む日本では、機能訓練を必要とする方が増えており、今後ますます言語聴覚士の活躍の場は広がっていくでしょう。
② 専門性を活かした支援ができる
言語聴覚士は、失語症や嚥下障がい、高次脳機能障がいなど、多岐にわたる症状に対応し、一人ひとりに適した訓練を行います。
専門知識を活かして支援を行うことで、患者さんの回復に貢献できるのが大きなやりがいです。
さらに、患者さんと直接コミュニケーションを取りながら寄り添ったサポートができるため、回復の過程を見守る喜びを実感できる仕事でもあります。
つらいこと・大変なこと
言語聴覚士が行うリハビリは、すぐに目に見える成果が出るとは限りません。
多くの場合、長期的な視点で計画を立て、訓練を重ねながら少しずつ現れる変化を的確に捉え、次のステップにつなげていくことが求められます。
しかし、言語聴覚士が関わる患者さんの多くは、話す力や聞く力が低下しているため、一般的なコミュニケーションが難しい場合があります。
そのため、言葉以外の手段も活用しながら、患者さんが抱える困難や不安、苦しみを理解し、適切に支援することが必要です。
特に、経験が浅いうちは、思うように患者さんと意思疎通ができなかったり、リハビリの効果を実感しにくかったりすることもあるでしょう。
それでも、一人ひとりの状況に寄り添いながら根気強く支援を続けることが、回復への大きな一歩につながります。
以上が、言語聴覚士にとってのやりがいについてでした。
続いて、言語聴覚士に向いている人の特徴をご紹介します。
言語聴覚士に向いている人の特徴
ここでは、言語聴覚士に向いている方の特徴を紹介します。
ただし、これらの特徴に当てはまらないからといって、言語聴覚士の道を諦める必要はありません。
実際に働く中で経験を積み、必要なスキルを身につけていけば、十分に活躍することができます。
コミュニケーション能力が高い方
言語聴覚士は、患者さまや介護福祉施設の利用者さんの状況を正しく理解し、適切なリハビリを提供することが求められます。
そのため、相手の立場に立って考え、親身になって接することができるコミュニケーション力が重要です。
信頼関係を築けなければ、リハビリがスムーズに進まないこともあります。
また、言語聴覚士は医師や理学療法士、作業療法士などの他職種と連携しながら業務を進めます。
現場でのチームワークを大切にし、円滑なコミュニケーションを取れる方は、この仕事に向いているでしょう。
根気強さや粘り強さがある
言語聴覚士のリハビリは、短期間で目に見える成果が出るとは限りません。
機能回復には時間がかかることが多いため、患者さん一人ひとりに寄り添いながら、焦らず丁寧に支援を続けることが大切です。
そのため、すぐに結果を求めるのではなく、試行錯誤しながら最適な方法を模索し、長期的な視点でリハビリに取り組める方が向いているでしょう。
以上が、言語聴覚士に向いている人の特徴でした。
これらのスキルや姿勢は、実務経験を積みながら成長させることができます。
最初は苦手に感じることがあっても、努力を続けることで言語聴覚士として活躍できる可能性は十分にあります。
自分に合った学び方を見つけ、挑戦してみましょう！
続いて、言語聴覚士になる方法をご紹介します。
言語聴覚士になる方法について
受験資格を得る方法はいくつかあるため、自分に合ったルートを選ぶことが大切です。
以下では、言語聴覚士になるための具体的なステップについて詳しく解説します。
①国家試験の受験資格を得よう
言語聴覚士の国家試験を受験するためには、指定の養成課程を修了することが求められます。
取得ルートは、学歴によって異なります。
高校卒業から受験資格を取得する場合
高校を卒業した後、以下のいずれかの教育機関で学ぶ必要があります。
- 4年制大学（言語聴覚士養成課程あり）
- 3年制または4年制の専門学校
- 3年制の短期大学
これらの学校は、文部科学大臣または都道府県知事が認定した養成校であることが条件となります。
指定の課程を修了すれば、国家試験の受験資格を得られます。
大学卒業後に受験資格を取得する場合
すでに一般の4年制大学を卒業している場合は、以下のルートで受験資格を取得できます。
- 2年制の専門学校（言語聴覚士養成課程あり）
- 2年制の大学院（言語聴覚士養成課程あり）
社会人の方が言語聴覚士を目指す場合も、このルートを活用できます。
②国家試験に合格する
受験資格を得たら、次は国家試験に合格することが必要です。
試験概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験日 | 年1回（2月中旬の土曜日） 2024年は2月17日実施 |
| 試験地 | 北海道、東京都、大阪府、福岡県など 2024年は愛知県・広島県を含む6会場 |
| 試験科目 | – 基礎医学 – 臨床医学 – 臨床歯科医学 – 音声・言語・聴覚医学 – 心理学 – 音声・言語学 – 社会福祉・教育 – 言語聴覚障害学総論 – 失語・高次脳機能障害学 – 言語発達障害学 – 発声発語・嚥下障害学・聴覚障害学 |
| 合格基準 | 200点満点中120点以上（1問1点） |
| 合格率 | – 2022年：75.0% – 2023年：67.4% |
（出典：厚生労働省「言語聴覚士国家試験の施行」）
受験手続きについて
国家試験を受験するには、受験願書と規定サイズの写真を提出する必要があります。
また、受験資格に応じて卒業証書や卒業見込証明書の提出が求められる場合があるため、事前に必要書類を確認しておきましょう。
以上が、言語聴覚士のなり方についてでした。
言語聴覚士になるためには、養成課程を修了して国家試験の受験資格を取得し、試験に合格することが必要です。
最短ルートは、高校卒業後に3年制または4年制の養成校に通う方法ですが、すでに大学を卒業した方は、2年制の専門学校や大学院を活用して受験資格を取得することができます。
また、国家試験は年1回の実施となるため、計画的に学習を進めることが大切です。
合格率は毎年約65～75％ですが、しっかりと対策をすれば十分に合格を狙えます。
社会人の方も、自分に合った学習方法を選び、言語聴覚士への道を歩んでいきましょう！
言語聴覚士は、ことば・聞こえ・飲み込み（嚥下）に関するリハビリを行う専門職で、病院や介護施設、教育機関などで幅広く活躍しています。
資格を取得するには、養成課程を修了し、国家試験に合格することが必要です。
また、言語聴覚士の平均年収は約400万円～500万円とされており、経験を積むことで収入アップも期待できます。
さらに、今後は高齢化社会の進展により、より一層の需要が見込まれる職業です。
「人の生活の質（QOL）を向上させる仕事がしたい」「医療・福祉の分野で活躍したい」と考えている方にとって、言語聴覚士はやりがいのある職業です。
ぜひ、自分に合ったルートで資格取得を目指し、言語聴覚士としての一歩を踏み出してみてください！
