作業療法士は、身体的な障害や疾患を抱える人々が、日常生活や職業活動をより充実したものにするための支援を行う専門家です。

そのため、作業療法士になることは、社会貢献度の高い仕事であり、自身の存在が他人の生活に大きな影響を与えることができるという大きな魅力があります。

そんな作業療法士を目指す人にとって、「作業療法士になりたい理由」は人それぞれ抱えているものだと思います。

そこで本記事では、志望動機にも使える、作業療法士になりたい理由を集めました。

ぜひ、参考になさってください。

作業療法士になりたい理由で多いものは?

作業療法士になりたい理由は人それぞれですが、その理由には共通していることがあります。

そもそも作業療法士は一般的に知名度が高くはありません。

ですが、日常の中の様々な経緯で人々の目に触れることがあります。

作業療法士という職業を知るきっかけは多岐にわたります。

多くの場合、本人や家族が障がいと向き合うことで、作業療法士の存在を知るのが始まりとなっています。

また、医療や福祉の分野で働く家族の影響を受けて、作業療法士への興味を持つ人もいます。

さらには、学校の見学やキャリア教育を通じて、作業療法士の仕事に出会う機会にも恵まれる人もいるのが実情です。

適職診断テストの結果から、作業療法士という職業を知るきっかけを得る人もいます。

このように、作業療法士を知るきっかけは多様ですが、なりたい理由として共通しているのは、困っている人を助けたいという思いや、人の役に立ちたいという「献身性」です。

作業療法士という職業に惹かれる人々には、そうした強い動機が存在しているのです。

続いて、作業療法士の志望動機を考える際のポイントをお伝えします。

作業療法士の志望動機のポイント

作業療法士の志望動機を考える・伝える際には、作業療法士としての情熱と専門性を明確に示すことが重要です。

以下のように、志望動機を丁寧に説明することをおすすめします。

まず、作業療法士を志望する強い思いを伝えましょう。

「患者さまの生活の質を高めるため、作業療法士として尽力したいと考えています。

理学療法とは異なり、日常生活動作の自立支援に特化した作業療法に魅力を感じ、この分野で活躍したいと思っています」といった具合です。

次に、自身の目標と将来像を明確に示します。

「作業療法の専門性を高め、地域包括ケアシステムの一翼を担うことを目標としています。

患者さまの生活を的確に捉え、QOLの向上につなげる作業療法の手技を磨きたいと考えています」など、具体的な抱負を述べましょう。

そして、なぜこの職場を選んだのかを丁寧に説明します。

「この病院の作業療法部門は地域に密着した取り組みを行っており、そこで自分の持てる力を発揮できると確信しています。

また、通勤の利便性も高く、長期的に貢献できる環境だと考えています」といった具合です。

最後に、これまでの経験や特技を活かせる点を強調しましょう。

「趣味の園芸経験を活かし、園芸療法の提案などを行いたいと考えています。

また、絵画や書道の特技を生かし、創造的活動の支援にも尽力したいと思います」など、具体的なアピールポイントを明示します。

このように、作業療法士としての強い意欲と専門性、そして採用先への深い理解を示すことで、採用者の期待に応えられる人材だと印象づけることができます。

以上が、作業療法士の志望動機のポイントでした。

最後に、志望動機に使える、「作業療法士になりたい理由」を集めました。

ぜひ参考になさってください。

志望動機に使える「作業療法士になりたい理由」の例文を集めました

作業療法士になりたい理由は、様々な側面から考えることができます。

以下に、志望動機に使える「作業療法士になりたい理由」の例文を集めました。

総合病院を志望する場合

中学時代、私は「リアル」という漫画に夢中になっていました。

ある日、偶然にも自宅近くで行われていた車椅子バスケットボールの試合を観戦する機会に恵まれました。

そこで、選手たちの躍動感と情熱に圧倒され、将来は身体障がいのある人々をサポートする仕事に就きたいと考えるようになりました。

当初は理学療法士を目指していましたが、リハビリについて学んでいく中で、心理面のケアも行う作業療法士の仕事に魅力を感じるようになりました。

現在、貴法人の病院で働くことで、患者さんの身体的・精神的な支えとなる作業療法士になりたいと強く願っています。

介護施設を志望する場合

私は幼少期から祖母に可愛がられ、強い絆で結ばれていました。

しかし、祖母の体調が悪化し、一人での生活が困難になり、老人ホームに入所することとなりました。

祖母は落ち込んでいましたが、そこで行われる趣味活動に参加するうちに、徐々に笑顔を取り戻していきました。

この活動が実は作業療法の一環であり、それを行っているスタッフが作業療法士であることを知り、私も同じ道を歩むことを決意しました。

今後は、御社の施設で生活する高齢者の方々が、再び生きる喜びを見出せるように、「生きがい」を取り戻すお手伝いをさせていただきたいと考えています。

児童福祉施設を志望する場合

私は高校時代に演劇部に所属し、子どもたちに向けた人形劇や影絵の公演に携わっていました。

その活動を通して、障がいのある園児の様子に気づき、彼らが本当に楽しめているのだろうかと疑問を感じるようになりました。

この経験が、発達障がいについて調べ始めるきっかけとなりました。

進路を検討する際、発達障がいのある子どもたちのリハビリに携わる作業療法士という職業に興味を持ちました。

子どもたちの成長をサポートできる機会があれば、とてもやりがいを感じられると考えています。

貴社の施設で実践的な経験を積み、将来的には発達障がいのスペシャリストを目指したいと思っています。

身体障害系の場合

「回復期病棟での実習を通して、作業療法士がリハビリを通して患者の日常生活動作の回復を支援することに大きな意義を感じました。

貴院の回復期病棟でも同様の取り組みを行っていると伺い、限られた入院期間内で患者の生活動作の再獲得を支援し、退院につなげていきたいと強く思いました。

また、退院時にはアドバイスができるよう、福祉機器や福祉用具についても学習を深めたいと考えています。」

「貴院の「いやし医療」の取り組みに強く共感しました。

身体ケアと同様に精神面のケアにも力を入れており、私が目指す作業療法士像に近いものがあると感じました。

さらに、各スタッフの個性を活かしつつ、スキルアップを全面的に支援する環境は、安心して長期的に技術を磨き、患者様に貢献できる魅力的な環境だと感じました。」

精神科系の場合

私には認知症の祖母を介護した経験があります。家族だけでは大変で、専門家の支援が必要だと感じました。

そこで、笑顔で暮らせるような認知症ケアを目指し、作業療法士を目指すことにしました。

現在、この病院で実践的な経験を積み、認知症の専門家を目指しています。

また、3年前には祖父の在宅介護にも携わりました。

人と接することが好きで、学生時代のアルバイト経験から、コミュニケーション能力には自信があります。

お客様への積極的な声掛けと臨機応変な対応を心がけていました。

作業療法士には医療関係者や患者様とのコミュニケーションが不可欠だと考えています。

患者様に気分よくリハビリに取り組んでもらえるよう、明るい対応で貢献していきたいと思っています。

以上が、志望動機にも使える「作業療法士になりたい理由」の例文集でした。

以下の記事では、作業療法士の履歴書の書き方をご紹介しています。

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今回ご紹介したように、作業療法士になりたい理由は多岐にわたります。

作業療法士は患者の生活の質を向上させるために様々な方法を提案し、サポートする役割を担っています。

そのため、人々の生活に関わる仕事に興味があり、他人を助けることに喜びを感じる人にとっては非常に魅力的な職業です。

また、作業療法士の仕事は医療分野だけでなく、福祉施設や学校などでも活躍することができるため、幅広いフィールドで活躍したいという人にも向いています。

さらに、作業療法士は患者とのコミュニケーション能力が求められるため、人と接することが好きな人にとっては理想的な職業と言えるでしょう。

このように、作業療法士になりたい理由は多種多様ですが、志望動機にも使える理由がたくさんあることは間違いありません。