作業療法士になるにはどうしたらいい?必要になる勉強・資格取得方法
「作業療法士になるにはどうしたらいいの?」
作業療法士(OT)は、医療の現場において重要な役割を担っています。
彼らは病院や介護施設でリハビリテーションを提供する専門職で、「理学療法士及び作業療法士法」に基づいた国家資格を持っています。
病気や障がいを抱える方々の生活の質を向上させるべく、多様なリハビリプログラムを実施しています。
作業療法士を目指すには、養成校の卒業と国家資格の取得が必須です。
その後は、自身の興味関心や得意分野に合わせて、適切な就職先を見つけていくことになります。
本記事では、作業療法士になるにはどうすればいいのか、必要な勉強や資格取得方法などを詳しく解説していきます。
作業療法士になるにはどうしたらいいの?
作業療法士になるには、どうすればよいのでしょうか。
作業療法士を目指す者にとって、国家資格の取得は必須条件です。
この道のりには多くの障壁が立ちはだかります。
まず、指定された養成校で3年以上の教育課程を修了し、所定の単位を取得しなければなりません。
さらに、養成校の合格率維持のため、単位取得だけでは不十分で、実力のある学生にのみ受験資格が与えられる場合もあります。
学習内容は膨大で、座学と臨床実習の両立が求められます。在学中は学業に全力で取り組む必要があります。
最終学年には就職活動を行い、卒業直前の国家試験に合格することで、作業療法士としての道が開かれます。
高校生から作業療法士になるには?
作業療法士を目指すには、国家資格の取得が必須です。
高校生の段階から、作業療法士に必要な知識と技術を身につけ、国家試験の要件を満たす必要があります。
一般的なルートとしては、作業療法士養成校(大学や専門学校)に進学し、卒業後に国家試験を受験して合格することが考えられます。
そして、最終的には作業療法士として実際の現場で働くことになります。
大学生・短大生から作業療法士になるには?
大学を卒業後、作業療法士を目指す選択肢もあります。
この道のりには、作業療法士の国家資格取得が不可欠です。
最も一般的な方法は、作業療法の養成校である大学や専門学校に進学し、所定の課程を修了することです。
まず、作業療法士養成校に入学し、必要な知識と技術を習得します。
そして、国家試験の受験資格を得て、最終的に国家試験に合格することで、作業療法士としての資格を取得できます。
この一連のプロセスを経て、作業療法士として実際の職場で勤務することができるようになります。
社会人から作業療法士になるには?
作業療法士への転職には、作業療法士の国家資格取得が不可欠です。
そのためには、作業療法士の養成校(大学・専門学校)に進学し、卒業後に国家試験を受験・合格する必要があります。
この一連の流れを経て、作業療法士として実際の職場で勤務することができるのです。
養成校卒業が大変な理由
作業療法士の養成には、国家試験合格だけでなく、養成校のカリキュラム修了と臨床実習の合格が必要不可欠です。
養成校の卒業要件は決して簡単なものではありません。
学生は、指定された病院や介護施設で現場の作業療法士と同様の業務を遂行しなければなりません。
患者さんの身体状況を評価し、個々のニーズに合わせたリハビリテーションを計画し、実践しなければなりません。
中には適切な評価や訓練ができず、実習に不合格となり、卒業を断念せざるを得ない学生もいます。
作業療法士を目指す者には、国家試験合格だけでなく、養成課程の修了という大きな障壁があることを理解しておきましょう。
ここまで、作業療法士になる方法について解説しました。
続いて、作業療法士の国家資格についてご説明していきます。
作業療法士の国家資格についてのお話
作業療法士の国家資格は「名称独占資格」に分類されます。
これは、作業療法士の名称を使用するには資格取得が必須であるものの、資格がなくても業務自体は行えるという性質を指しています。
実際の医療現場では、作業療法士資格を持たない看護師などが一部の作業療法業務を行うことがあります。
ただし、近年の医療技術の高度化に伴い、各専門職の専門性が重視されるようになっており、作業療法の主導は作業療法士が担うのが一般的です。
作業療法を専門的に行うには、作業療法士の国家資格取得が必要不可欠です。
一方で、理学療法士はリハビリテーションの別分野に特化した専門家で、作業療法士とは役割が異なります。
ただし、両者の専門知識には重複する部分もあり、現場では理学療法士と作業療法士が連携して業務にあたることも多いのが実情です。
中には、理学療法士と作業療法士の両資格を取得し、リハビリテーションのスペシャリストとしてダブルライセンスで活躍する人もいます。
国家試験の合格率について
毎年2月に実施される作業療法士国家試験は、近年の合格率が70%台から80%台と安定して高水準を維持しています。
養成校のカリキュラムに準拠した出題内容と、過去問題の復習や特別授業といった受験対策を通じて、在学中に十分な学習を積めば、比較的合格しやすい資格と言えるでしょう。
資格取得者の数
2021年の作業療法士試験では、合格者数が4,510人に上りました。
受験者数は5,549人で、合格率は81.3%でした。
過去5年間の実績を見ると、合格者数は4,500人から5,500人の間にあり、合格率は71%から87%の範囲で推移しているため、試験の難易度は年によってバラつきがあるようです。
また、2020年3月時点での作業療法士の資格保持者数は、日本作業療法士協会の統計によると94,255人と見積もられています。
以上が、作業療法士の国家資格についてのお話でした。
最後に、作業療法士になるための専門学校・大学についてのお話をしていきます。
作業療法士になるための専門学校・大学の大きな違い
作業療法士になるための養成校には、専門学校と大学の二つの道があります。
学費は養成校によって大きく異なり、一般的に大学のほうが専門学校よりも高い傾向にあります。
平均的な学費は、専門学校が約440万円、大学が約620万円とされています。
学費負担に悩む人は、奨学金制度を活用するのがよいでしょう。
中には、就職先を条件に奨学金を提供する養成校もあります。これを利用すれば、学費の負担を軽減し、就職先も確保できます。
専門学校と大学では、カリキュラムの構成が異なります。
専門学校では実践的なリハビリスキルの習得に重点が置かれるのに対し、大学ではリハビリの理論や研究、管理運営法などを学ぶことができます。
自分の目標に合わせて、どちらの養成校を選択するかを検討するといいでしょう。
以上が、作業療法士になるための養成校についてのお話でした。
作業療法士への道のりは決して平坦ではありません。
養成校での教育カリキュラムの修了と国家試験の合格が必須条件となるため、資格取得までには時間と費用がかかります。
しかしながら、この専門資格を得られば、病院や介護施設など、さまざまな現場で活躍できる機会が広がります。
リハビリの仕事に興味をお持ちなら、作業療法士への挑戦をご検討されることをおすすめします。
以下の記事では、作業療法士に最短でなるための方法をご紹介しています。
また、作業療法士を目指す社会人の方も少なくありません。
以下の記事では作業療法士の資格を働きながら取得する方法について解説しています。
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