作業療法士の資格取得は難易度が高い?取得の流れや就職先について
作業療法士を目指す上で、国家資格取得の難易度が気になる方もいらっしゃると思います。
作業療法士は国家試験に合格する必要があり、その合格率は70〜80%とされています。
しっかりとした準備と勉強さえすれば、合格できる可能性は高いといえます。
しかし、専門知識だけでなく、実践的なスキルも問われるため、計画的な学習と実習が求められます。
この記事では、作業療法士の資格取得過程と難易度について詳しく解説します。
作業療法士を目指す上での参考にしていただければ幸いです。
作業療法士の資格取得は難易度が高い?
作業療法士資格の国家試験は、毎年約70〜80%の合格率を記録しており、決して難易度が高いわけではありません。
作業療法士は国家資格であり、国家試験に合格する必要があります。
過去5年間の合格率を見ると、2019年度は71.3%、2020年度は87.3%、2021年度は81.3%、2022年度は80.5%、2023年度は83.8%と、年によってばらつきはあるものの、極端な差はありません。
つまり、国家試験に向けて十分な準備をすれば、作業療法士の資格取得は十分に可能だと言えるでしょう。
作業療法士の合格率の推移
過去7年間の作業療法士国家試験の合格率推移を振り返ってみましょう。
2016年から2022年までの受験者数、合格者数、合格率の推移は以下の通りです。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2016年 | 6,102人 | 5,344人 | 87.6% |
2017年 | 5,983人 | 5,007人 | 83.7% |
2018年 | 6,164人 | 4,700人 | 76.2% |
2019年 | 6,358人 | 4,531人 | 71.3% |
2020年 | 6,352人 | 5,548人 | 87.3% |
2021年 | 5,549人 | 4,510人 | 81.3% |
2022年 | 5,723人 | 4,608人 | 80.5% |
全体として、合格率は約80%前後で推移してきました。
ただし、2020年の合格率が87.3%と高かったのに対し、2021年は81.3%と落ち込んでいることから、試験の難易度が若干上がっているのではないかと考えられます。
以上が、作業療法士の資格取得の難易度と合格率の推移でした。
次に、作業療法士の資格を取得するまでの流れについてみていきましょう。
作業療法士の資格を取得するまでの流れ
作業療法士の資格取得には、以下の3つのステップを踏む必要があります。
①大学や専門学校への入学
②大学や専門学校での勉強
③国家試験に合格
それぞれの流れについて詳しく解説していきます。
①大学や専門学校への入学
高校卒業後、作業療法士を目指す人は、大学や専門学校などの養成校に入学する必要があります。
2019年時点で、全国に193校の作業療法士養成校が存在し、各地に点在しているため、自身に適した学校を選んで入学することができます。
中には夜間部を設置している養成校もあり、働きながら学ぶことも可能です。
②大学や専門学校での勉強
作業療法士を目指す学生は、養成校に入学後、3〜4年にわたり専門的な知識と技術を修得します。
養成校には「3年制」と「4年制」の二つのコースがありますが、学習内容に大きな違いはありません。
カリキュラムは大きく3つの分野で構成されています。
まず基礎分野では、医療従事者に必要な基礎知識を習得します。
次の専門基礎分野では、人体構造や疾患、リハビリの理念など、より専門的な知識を学びます。
そして専門分野では、リハビリテーションの実践的な内容に重点を置いて学習します。
学年が進むにつれ、基礎的な知識から徐々に専門性の高い内容へと移行していきます。
この過程を通して、作業療法士として必要な能力を身につけていくのです。
③国家試験に合格
養成課程の修了後は、国家試験に向けた準備段階に入ります。
令和5年度に実施された国家試験の日程と試験内容の概要は以下の通りです。
試験の期日 | 2月中旬の日曜日 |
試験内容 | マークシートの筆記試験 (一般問題・実地問題) |
合格基準 | ・総得点:168点以上/279点 ・実地問題:43点以上/120点 (年度によって若干の変動あり) |
作業療法士の国家試験合格は、総合得点と実施問題の点数を総合的に評価して判断されます。
以上が、作業療法士の資格を取得するまでの流れでした。
ここまで読んでくださった方の中には、大学か専門学校、どちらを選択すべきか迷っている方もいらっしゃると思います。
そこで、最後に作業療法士の資格取得を目指すなら、大学か専門学校どちらを選択すべきか、両者の違いについて詳しくご説明していきます。
作業療法士の資格取得を目指すなら、大学か専門学校どちらを選択すべき?
作業療法士の資格取得を目指す際、大学と専門学校のどちらが適しているのでしょうか?
両者の特徴は以下の通りです。
大学の特徴:
- 作業療法士以外の分野の知識も習得できる
- 大学院への進学が容易
- 専門学校よりも学費が高い傾向
専門学校の特徴:
- 作業療法士に特化した知識を学べる
- 大学に比べて学費が安い傾向
- 作業療法士以外の選択肢がない
このように、大学と専門学校では学習範囲や学費面で違いがあります。
しかし、両者とも作業療法士になるための必要なカリキュラムを提供しています。
作業療法士の資格取得を目指す際、どちらがおすすめというわけではなく、あくまでも自分に合った大学・専門学校を選ぶことが重要になってきます。
作業療法士を目指す方にとって、国家試験の合格率は重要な指標です。
年によって変動はあるものの、概ね70〜80%程度が合格水準となっています。
作業療法士という仕事に就くには、まず養成校において専門的な知識や技術を修得し、その後の国家試験に合格することが求められます。
作業療法士は、多様な職場環境で活躍することができる専門職です。
養成校で様々なことを学び、作業療法士として活躍していってください!
以下の記事では、作業療法士の国家試験の合格率について詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。