「理学療法士として働いているけど、最近どうしても『辞めたい』という気持ちが拭えない…」そんな悩みを抱えていませんか?

また、「辞めたあとに後悔するのでは?」という不安から、一歩を踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。

本記事では、理学療法士を辞めたいと思ったときにまず考えるべきポイントや、実際にどのような行動を取れば良いかをわかりやすく解説します。

この記事を読むことで、「辞める」以外の選択肢や、自分に合った働き方を見つけるヒントが得られるかもしれません。

理学療法士として築いてきた経験やスキルを、どう活かしていくかを考えるきっかけになれば幸いです。

理学療法士を辞めたい理由7つ

理学療法士として働く中で、「辞めたい」と思う瞬間は珍しくありません。

その背景にはさまざまな理由が考えられます。

ここでは、理学療法士を辞めたいと思う代表的な7つの理由を取り上げ、それぞれについて解説していきます。

自分の悩みに当てはまるものがあるかを確認しつつ、適切な対策を検討するきっかけにしてみてください。

人間関係が悪い

理学療法士の仕事は、患者さんだけでなく、多職種や家族との連携が不可欠。

人間関係が悪化すると、業務に支障をきたすだけでなく、職場に行くのも憂うつになりがちです。

リハビリ職自体の歴史が浅いことから、医療チーム内での地位が低く扱われていると感じるシーンもあるかもしれません。

小規模な事業所ではスタッフ同士の距離が近く、対人ストレスがさらに大きくなるケースも考えられます。

将来への不安がある

収入面やキャリアパスが見えづらいことから、将来に対する不安を抱く理学療法士も少なくありません。

平均年齢が35.4歳(令和4年賃金構造基本統計調査)と比較的若く、給与がピークに達する50代までまだ時間があるため、「この先、ちゃんと生活していけるのか」と不安になることも。

職種名 調査人員(復元後) 平均年齢 平成31年4月分平均支給額(円) きまって支給する給与(A) うち時間外手当(B) (A-B) うち通勤手当
臨床検査技師 26,312 40.3歳 350,499 319,046 31,453 319,046 15,096
栄養士 13,388 36.7歳 282,303 264,979 17,324 264,979 13,948
理学療法士 45,703 33.4歳 302,021 286,720 15,301 286,720 9,835
作業療法士 27,127 33.1歳 289,111 277,187 11,924 277,187 9,785

出典:人事院「2019年職種別民間給与実態調査」

先輩職員の姿を見て、自分の将来を重ね合わせ、将来性に疑問を抱く方も多いでしょう。

成長を感じにくい

勤務先や人間関係によっては、学びやサポートの機会が十分に得られず、自身の成長を感じづらいことがあります。

さらに、同期と比較してしまうことで「自分だけができていないのでは?」と自信を失い、退職を考えるケースも。
現場での経験や先輩・同僚からのフィードバックが得られない環境だと、スキルアップのモチベーションが保ちにくく、伸び悩む原因になってしまいます。

給与や待遇に不満がある

理学療法士としての給与や待遇に不満を持ち、辞めたいと考える方も少なくありません。

厚生労働省が公表した「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、医療系職種のなかでも理学療法士の平均年収は高いとは言えません。

資格 平均年収(万円)
薬剤師 583万円
診療放射線技師 544万円
臨床検査技師 509万円
看護師 508万円
理学療法士 431万円
介護福祉士 363万円

夜勤が少ない分、他の職種に比べて収入面で差が出やすいケースもあり、「国家資格を取ったのに報われない」と感じる人もいるでしょう。

心身に限界がきた

身体の介助が多い介護施設での勤務では、腰痛など理学療法士自身に負担がかかることも。

また、ノルマや職場環境の問題から、メンタル面でダメージを受け、限界を感じてしまうケースもあります。

過度なストレスや疲労が蓄積すると、モチベーションを保つのが難しくなるため、退職を検討する大きな要因になるでしょう。

思い通りのリハビリができない

制度や職場の方針などで、本来目指したかったリハビリの実践が難しく、ストレスを感じる理学療法士もいます。

1人の患者さんとじっくり向き合いたいのに、人員や時間の制約があると、やむを得ず介護業務に追われることも。
「本来の業務に専念できず、モヤモヤする」「理想と現実のギャップに疲れてしまう」などの声が、辞めたいと思うきっかけになるのです。

ノルマが厳しい

理学療法士には、リハビリを行う時間(単位数)や患者さんの回復目標、訪問リハビリにおける訪問件数など、さまざまなノルマが課されることがあります。

患者さんをじっくりサポートしたいのに、時間や回数などの制限に追われると、「患者さんのためのリハビリではなく、単位数のためのリハビリになってしまっている」と感じる瞬間も。

さらに、上司や他職種、あるいは家族から一方的に目標を押し付けられ、「早く歩けるようにしてほしい」「すぐ退院させてほしい」と要望されると、自分の理想とのギャップに葛藤を抱く理学療法士も少なくありません。

以上が、理学療法士を辞めたいと感じる理由7つでした。

ノルマや成長の実感不足、給与面や理想とのギャップ、人間関係、心身の不調など、理学療法士が「辞めたい」と感じる理由は実にさまざまです。

これらの悩みは決してあなただけのものではなく、多くの同業者が経験しているのも事実です。

もし今の環境に限界を感じたら、まずは自分の抱えている問題を整理し、解決策やキャリアの選択肢を探ってみましょう。

転職を視野に入れる、職場内で役割を調整してもらう、専門家に相談してみるなど、具体的なアクションを起こすことで、道が開けるかもしれません。

次に、理学療法士を辞めたいときにするべきことをご紹介します。

理学療法士を辞めたいときにするべきこと

理学療法士の仕事を辞めたいと感じたとき、どのように行動すればベストなのでしょうか?

まずは理由を整理し、必要に応じて周囲に相談し、転職の可能性を検討する――

という流れで進めるとよいでしょう。

以下では、このステップを詳しく解説します。

辞めたい理由を洗い出す

最初に、「なぜ辞めたいと思うのか」をはっきりさせましょう。

場合によっては、上司に相談したり自分で環境を変えたりすることで、状況が改善できる可能性があります。

もしも自分の「仕事で大切にしていること」が何かを明確にすると、なぜ辞めたいのかが見えてくるかもしれません。

大切にしている価値観から逸れた働き方をしていることで、「辞めたい」と強く感じている可能性もあるのです。

信頼できる人に相談する

仕事を辞める・続けるという大きな決断は、なるべく一人で抱え込まないことが大切です。

信頼できる同僚に相談すれば、自分の気持ちを客観的に見つめ直すきっかけになるでしょう。

特に同期であれば、給与や待遇についても本音で話しやすいかもしれません。

問題が解決に向かう糸口が見つかることもあるので、誰かに意見を求めるのは大きなメリットがあります。

同僚が難しい場合は、家族や友人でも構いません。自分が抱えている感情を言葉にするだけでも、気持ちを整理するのに役立ちます。

転職する場合、何を優先するのか決める

転職を考える場合は、今の職場で悩んでいる点を解消できる環境かどうかをしっかり調べることが大切です。

求人票だけではわからないことも多いので、面接や施設見学の場で気になる点を質問すると良いでしょう。

ただし、転職すればすべてが解決するわけではなく、かえって条件が悪化するリスクもあります。

「自分が何を最も優先したいのか」を明確にしたうえで慎重に動くことが重要です。

実際の求人情報を調べ、転職に踏み切る前にできるだけ多くの情報を集めましょう。

副業にチャレンジしてみる

理学療法士としての収入に不安を感じるなら、副業を検討してみるのも一つの方法です。

本業以外の収入源があると、経済的な安定を得られるだけでなく、新しい知識やスキルを身につける機会となり、将来のキャリアの選択肢も広がります。

特に、下記のような副業は理学療法士の方でも始めやすいと言えるでしょう。

理学療法士が挑戦しやすい副業例

  • Webライター
  • ブログ運営
  • プログラミング
  • 動画編集

これらは主にWeb上で完結する仕事が多く、時間や場所を問わずに取り組めるのが魅力です。

以上が、理学療法士を辞めたいときにするべきことでした。

仕事を辞めたいと思う背景には、人それぞれ違った理由があるものです。

自分にとって最適な選択ができるよう、まずは原因を見極め、信頼できる人に相談し、転職を含めた選択肢を総合的に検討してみてください。

続いて、理学療法士を辞めて後悔しないために知っておきたい4つのリスクをご紹介します。

【理学療法士を辞めたい】後悔しないために知っておきたい4つのリスク

理学療法士として働くかどうかを悩んでいる方にとって、辞めた後に「後悔しないか」は大きな不安の種かもしれません。

ここでは、辞職に踏み切る前に知っておきたい4つのリスクと注意点を解説します。

自分のキャリアや性格、将来像に照らし合わせながら、慎重に検討してみてください。

他業種では理学療法士の国家資格を十分に活かせない

理学療法士の資格は、数年間の学習と高額な学費をかけて得る専門資格です。

ところが、医療・介護以外の分野へ転職すると、資格を直接活用できないケースがほとんどです。

せっかく苦労して取得した資格が活かせないままになる可能性があるため、「本当に辞めても問題ないか」をよく考えましょう。

医療分野以外で働くには難易度が高い

理学療法士は患者さんのリハビリや健康維持を目的に活動しますが、一般企業では利益を追求することが主眼となります。

業界が変わると仕事内容だけでなく、働き方やモチベーションの方向性も大きく異なるため、転職後に「ギャップが大きい」と感じる可能性もあります。

事前に自分が目指す職種の働き方や価値観をリサーチしておきましょう。

転職先でも再び「辞めたい」と感じる可能性がある

「現状への不満」が原因で退職を考えている場合、転職先でも同じような問題に直面することは珍しくありません。

特に、異業種に挑戦する場合、新たなスキルの習得や慣れない業務にストレスを感じることが多いでしょう。

転職を決断する前に「いま抱えている不満は本当に転職で解決するのか」を冷静に考え、職場の改善策がないかも確認してみてください。

理学療法士としてのサポート業務から離れることになる

理学療法士は、患者さんの回復を間近で見守りながらサポートできる魅力的な仕事です。

回復をともに喜び合うやりがいは、他の職種ではなかなか得られないものかもしれません。

辞めた後、もし人と関わる機会が極端に少ない仕事に就くと、「やりがいが感じられない」と後悔する可能性があります。

自分の性格ややりたいことを改めて整理し、「本当に理学療法士を手放すべきなのか」を考えましょう。

以上が、理学療法士を辞めて後悔しないために知っておきたい4つのリスクでした。

理学療法士からの転職を考えるなら、資格が活かせないリスクや異業種とのギャップ、「辞めたい」気持ちが続いてしまう可能性など、事前に知っておくべきポイントは多岐にわたります。

また、理学療法士ならではの「人を支えるやりがい」を失うことが本当に大丈夫かどうか、冷静に見極めることが重要です。

辞めるかどうかを決める前に、今の職場で改善できることがないか検討しつつ、自分の将来像や性格をしっかりと再確認してみてください。

続いて、理学療法士を辞める前にしてみたほうがいいことをご紹介します。

理学療法士を辞める前にしてみたほうがいいこと

理学療法士を辞めたいと感じたとしても、いきなり辞めるのではなく、まずは働き方の見直しなどで悩みが解決できないかを検討してみましょう。

辞めたいときの主な対処法

  1. スキルアップを目指す(学びを深める)
  2. 部署異動をお願いする
  3. 環境を変えるために転職する
  4. 休職してリフレッシュする

それぞれの方法について、以下で詳しく解説します。

スキル向上のため勉強する

理学療法士として働くうえで、患者さんが少しずつ回復していく姿を見るのは大きな喜びです。

そのためには、自分自身のスキルアップが欠かせません。まれに“天才肌”で感覚的にリハビリを行える人もいますが、多くの場合は勉強を積み重ねて知識と技術を磨いていく必要があります。

最近はオンラインセミナーが充実していて、すきま時間を活用して効率的に学べるのが魅力です。

部署異動を希望する

もし勤務先の病院で急性期や回復期など複数のリハビリ部署がある場合は、異動をお願いしてみるのも手です。

部署が変われば人間関係が一新され、ストレスが大幅に軽減されることもあります。

さらに、移動先の分野が自分に合っていれば一気にやる気が高まり、「辞めたい」という気持ちが薄れる可能性も。

また、グループが複数の施設を運営している場合は、別の施設への異動をお願いするのも選択肢です。

休職して心身をリフレッシュする

どうしても体力的・精神的に限界を感じるようなら、一時的に休職してリセットするのも選択肢のひとつです。

しばらく仕事から離れて心身を整えることで、復帰後のパフォーマンスが高まるケースもあります。

焦らずじっくり検討してみましょう。

転職して新たな職場で働く

職場を変えるだけで、理学療法士として続けられるようになるケースも少なくありません。

人間関係や働く分野がリセットされ、新卒のようにフレッシュな気持ちで業務に取り組めます。

ただし、次の職場を選ぶ際は、職場の雰囲気や人間関係をきちんと見極めたいもの。

自力で調べるのが難しい場合は、リハビリ向けの転職サイトを活用するのがおすすめです。

サイトに登録すると、担当者が希望条件に合う求人を紹介してくれ、給与や面接日程などの交渉も代行してくれます。

以上が、理学療法士を辞める前にしてみたほうがいいことでした。

「理学療法士を辞めたい」と思ったら、退職する前にまずは働き方や環境を変えることを検討してみてはいかがでしょうか。

スキルアップや部署異動、転職、あるいは休職といった選択肢を活用して、自分に合った働き方を見つけることで、キャリアを継続しながら心身の負担を軽減できるかもしれません。

次に、理学療法士を辞めずに続けるメリット・デメリットをご紹介します。

理学療法士を辞めずに続けるメリット・デメリット

理学療法士の仕事を続けるかどうかで悩んでいる方の中には、続けるメリットやデメリットを知り、気持ちを整理したいと考えている方も多いかもしれません。

以下では、理学療法士を辞めずに続けるメリット・デメリットをご紹介します。

自分の状況や将来の見通しに照らし合わせながら検討してみてください。

メリット

以下が、理学療法士を辞めずに続けるメリットです。

  • 一生涯を通じて活かせる資格
  • 選べる働き方が多彩
  • 患者さんの笑顔や「ありがとう」の言葉

一生涯を通じて活かせる資格

理学療法士は国家資格であり、いったん取得すると更新の必要がない点が大きな利点です。

たとえブランクがあっても再就職しやすく、働き先を見つけるうえで強みとなります。

医療系資格全般に共通することですが、求人ニーズが高いことが多く、職に困りにくいのが特徴です。

選べる働き方が多彩

理学療法士は、病院やクリニック、介護施設、整骨院、ジムなど、さまざまな職場で活躍できます。

病院勤務が合わないと感じた場合でも、介護やスポーツ分野などに転職すれば、自分の得意領域や興味を活かして働くことができます。

また、柔道整復師など他の資格を取得して開業を目指す道もあり、多彩なキャリアパスを探れるのが魅力です。

患者さんの笑顔や「ありがとう」の言葉

理学療法士は、患者さんの身体機能や日常生活動作の回復に直結した支援を行うため、大きなやりがいを感じられる職種です。

患者さんからの「ありがとう」や笑顔は、理学療法士として働く上で何よりの励みになり、自分が社会的に意義のある役割を担っているという実感を得られます。

さらに、2024年時点で日本の65歳以上の人口割合は29.3%に達し、およそ3人に1人が65歳以上という超高齢化社会を迎えています。

そのような背景から、今後理学療法士の需要は一層高まると予想されます。自分の仕事が社会貢献につながっていると感じられることは、この職業ならではの大きな魅力といえるでしょう。

デメリット

以下が、理学療法士を辞めずに続けるデメリットです。

  • 収入が安定するまでに時間がかかる
  • 体調面に悪影響が出るリスクがある

収入が安定するまでに時間がかかる

理学療法士の平均年齢である35歳時点の給与は約30万円とされ、同年代の全体平均である約37万円(国税庁「令和3年分民間給与実態統計調査」)を下回っています。

給与水準自体は年齢とともに少しずつ上昇する傾向がありますが、その分、経済的に安定するまでに時間がかかる可能性があります。

体調面に悪影響が出るリスクがある

「辞めたい」と感じながら理学療法士を続けていると、業務の負担が精神面・身体面に影響を及ぼすリスクがあります。

医療業界は常に最新の知識が求められるため、業務時間外でも勉強会や研修、レポート作成などに追われやすい傾向にあります。

さらに、残業やスタッフ不足による過密スケジュールなどが重なると、体調を崩す人も少なくありません。

以上が、理学療法士を辞めずに続けるメリット・デメリットでした。

理学療法士という資格がもたらす強みと、実際の働き方における課題は人それぞれ異なります。

自分のライフスタイルや将来像を踏まえてメリット・デメリットを整理し、納得のいく道を模索してみてください。

次に、理学療法士の再就職先についてご紹介します。

【理学療法士を辞めたい】再就職先について

理学療法士を辞めるかどうか悩んでいる時に、まず見直してほしいのが「職場の種類」と「働き方」です。

理学療法士として活躍できる現場は思いのほか多岐にわたり、それぞれに異なる特徴やメリット、デメリットがあります。

以下では、代表的な職場形態とその特徴を解説しますので、自身の目指すキャリアや生活スタイルに合った選択肢を探すヒントにしてみてください。

総合病院

多くの理学療法士が最初に就職するのが総合病院です。医療機関として「治療」に注力しており、医師の指示のもと、具体的なリハビリ計画を実施するのが主な業務。

現場では幅広い症例に携われるため、基本的な技術を習得しやすいのが特徴です。

さまざまな患者さんと関わるうちに興味のある分野を見つけ、将来的に特別養護老人ホームや介護老人保健施設などへ転職するケースが一般的。

一方で、病院勤務はほかの施設に比べると給与水準が低めだったり、勉強会などで残業が発生しやすい傾向があります。

介護老人保健施設

介護老人保健施設では、3~6カ月程度の入所期間を想定し、在宅復帰を目指したリハビリを提供します。

退院後のサポートが中心となるため、「将来は在宅分野に関わりたい」という理学療法士が選ぶ傾向があります。

なかには「強化型介護老人保健施設」として、積極的にリハビリを推進している施設もあり、リハビリに熱意を持って取り組みたい方に向いています。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームは、在宅生活が難しくなった要介護度の高い高齢者が暮らす公的施設です。

ベッドサイドでのリハビリが主となるため、提供できるリハビリの幅はどうしても限られる傾向があります。

リハビリの効果を実感できる機会が少ない反面、入居者の生活そのものに寄り添えるため、終末期までしっかり支援したい方には適した環境です。

有料老人ホーム

有料老人ホームは民間企業が運営する高齢者向け住宅で、必要に応じて介護サービスを提供する形が中心です。

医療行為というよりは「お客様へのサービス提供」という意識が強いため、利用者の満足度を重視したケアに取り組むことが多く、自分の施術やサポートがどのように評価されるかを直に感じやすい職場といえます。

デイサービス

デイサービスは、通所によって介護サービスを受けられる施設です。

理学療法士であっても、機能訓練指導員としてレクリエーションや介護的支援を担当する場合が多く、専門的なリハビリを行う機会は相対的に少なめです。

訪問リハビリテーション

自宅で暮らす利用者を対象にリハビリを行う「在宅分野」に興味のある人は、訪問リハビリが適しています。

主に維持期や慢性期の利用者をサポートするため、リハビリの成果を実感しづらい場面もある一方で、土日休み・残業ほぼなし・病院勤務より高めの給与体系など、比較的条件が良い職場が多い傾向です。

整形外科クリニック

整形外科分野での専門性を磨きたい理学療法士におすすめです。

腰や肩など特定の部位に特化したクリニックもあり、スペシャリストとして成長できる環境が整っているケースがあります。

スポーツクラブやスポーツチーム

プロスポーツチームや実業団などでアスリートをサポートする道もあります。

ただし、求人が非常に限られているほか、契約が1年ごとなど不安定なケースが多く、安定性を重視する方には向きづらいかもしれません。

以上が、理学療法士の再就職先についてのお話でした。

ここで挙げた施設形態はあくまで一例で、同じ形態でも地域性や利用者層、事業者の方針、ドクターの考え方などによって仕事内容や待遇は大きく変わります。

たとえば同じ介護老人保健施設でも、「リハビリに力を入れる」方針なのか、「地域交流を重視する」方針なのかで、理学療法士の業務内容やチーム体制は全く異なります。

職場選びの際は、求人票の情報だけでなく、実際の見学や面接で現場の雰囲気、方針、スタッフ構成などをしっかりと確認することが大切です。

自分の目指す働き方やキャリアに合った職場を見極めることが、理学療法士として長く活躍するための重要なポイントです。

それでは最後に、理学療法士を辞めて理想のキャリアを築くためにできることをご紹介します。

【理学療法士を辞めたい】理想のキャリアを築くために

理学療法士としてのキャリアを離れ、新たな道を目指したいと考えている人は、これからのステップをしっかりと把握しておきましょう。

ここでは、理学療法士を辞めて理想のキャリアを築くために役立つ4つのポイントをご紹介します。

理学療法士を辞めたい理由をはっきりさせる

まずは、自分が理学療法士の仕事から離れたい理由を明確にしましょう。

なぜ転職したいのかを具体的に言語化することで、自分が求める職場環境やキャリアの優先事項が見えてきます。

たとえば、「給与面が不満」という理由なら、次の職場では評価制度や給与体系がしっかり整備された企業を選ぶと良いでしょう。

自分のキャリアの軸を定めるうえで重要なステップとなるので、時間をかけて考えてみてください。

自己分析と企業研究を十分に行う

転職成功のためには、自己分析・企業研究が欠かせません。

自己分析を行うことで、「自分が本当にやりたいことは何か」「どんな強み・弱みがあるのか」といった点を客観的に把握できます。

さらに、企業研究を通じて、その企業の理念や社風、働き方が自分にマッチしているかどうかを確認しましょう。

給与や福利厚生はもちろん、企業の成長性や業界での立ち位置なども見極めると、入社後のミスマッチを防ぎやすくなります。

希望する業界・職種に求められるスキルを習得する

異業種への挑戦を考えている場合、理学療法士としての専門知識が直接活かせない可能性があります。

そこで、希望する業界や職種で必要とされるスキルを事前に身につけておくのがおすすめです。

たとえば、IT業界を目指すなら、プログラミングやネットワークの基礎知識を勉強しておくと、転職後もスムーズに業務に取り組めます。

採用担当者に対しても意欲が伝わりやすく、採用率の向上にもつながるでしょう。

転職エージェントの活用を検討する

理学療法士からの転職で心強い味方になるのが、転職エージェントです。

業界の動向や求人情報に詳しいプロが、あなたの経験や適性に合った職場を紹介してくれます。

さらに、キャリア相談や自己分析のサポート、履歴書や職務経歴書の添削、面接対策など、さまざまな支援を受けられるのも大きなメリット。

理学療法士として積み上げたスキルを、新たな環境で最大限に活かしたい方にとっては、エージェントのサポートが転職成功への近道となるでしょう。

以上が、理学療法士を辞めて理想のキャリアを築くために役立つ4つのポイントでした。

以下の記事では、理学療法士のセカンドキャリアについて詳しく解説しています。

こちらもあわせてご参考にしてください。

理学療法士のセカンドキャリアは何がおすすめ?新しい道への一歩
「理学療法士として経験を積んだけれど、この先のキャリアに悩んでいる」「体力面や将来の安定を考えて、次のステップを検討したい」そんな思いを抱える理学療法士の方が増えています。この記事では、理学療法士のセカンドキャリアについて解説します。スキル...

理学療法士を辞める決断は大きな転機ですが、その後のキャリアをしっかりと築いていくためにも、上記のポイントを押さえておくと安心です。

自分の希望や強みを明確にし、必要なスキルを身につけながら転職エージェントの力を借りることで、理想の未来に近づくはずです。

焦らず計画的に行動し、次なる目標を見据えて充実したキャリアを目指してください。

以上が、理学療法士を辞めて理想のキャリアを築くためにできることでした。

理学療法士として働く中で「もう辞めたい」と感じることがあるのは、ごく自然なことです。

仕事のきつさや人間関係、将来への不安など、悩みの原因は人それぞれ違いますが、共通して言えるのは「後悔しないように準備を整える」ことの大切さです。

すぐに退職という結論を出す前に、職場での配置転換や担当業務の見直し、他の施設や在宅分野への転職など、可能な選択肢を広く検討してみてください。

また、自分の得意分野や興味を改めて振り返ることで、新たなキャリアパスに気づくこともあります。

もし最終的に辞める決断をするのであれば、転職先や生活基盤の確保をしっかりと行い、理学療法士としての経験を活かせる道を模索しましょう。

辞めるも続けるも、どちらにしても「後悔のない判断」をするために、自分に合った情報収集や自己分析を丁寧に行うことが大切です。