放課後等デイサービスの人間関係は?パワハラはNG!こどもプラスの対策
「今の職場の雰囲気が悪くて、転職を考えている」
そんな不安を抱えている方は多いのではないでしょうか。
厚生労働省の「令和5年雇用動向調査」でも、人間関係が離職の重要な要因の一つとなっていることが報告されています。
放課後等デイサービスでも一部の職場では人間関係のトラブルが発生しており、その背景を詳しく調べてみると「パワハラ」が根本的な原因になっているケースが少なくありません。
幸い、こうした問題は事前に知識を持っておくことで回避することが可能です。
この記事では、パワハラの事例をもとに、なぜ一部の放課後等デイサービスで人間関係が悪化しやすいのかについて解説します。
「もう限界」放課後等デイサービスでも人間関係が原因の離職が増加中
放課後等デイサービスで働く上で、多くの方が気になるのが職場の人間関係です。
これは放課後等デイサービスに限った問題ではなく、厚生労働省の調査でも全業界を通じて人間関係が離職の重要な要因となっていることが分かっています。
しかし、なぜ放課後等デイサービスでも人間関係のトラブルが起きやすいのでしょうか?
「今日は○○さんの機嫌が悪いから気をつけて」小規模職場だからこそ起きる問題
放課後等デイサービスの多くは、職員数5〜15名程度の小規模な職場です。
この「規模の小ささ」が、実は人間関係に大きな影響を与えています。
逃げ場がない環境
大きな会社なら部署を変わったり、苦手な人と距離を置いたりできますが、小さな職場ではそれができません。
毎日同じメンバーと、同じ空間で、長時間過ごすことになります。
一度人間関係がこじれると、修復が難しく、問題が深刻化しやすいのです。
小さなことが大問題に発展
10人程度の職場では、一人の機嫌が悪いだけで職場全体の雰囲気が悪くなります。
「今日は○○さんの機嫌が悪いから、みんな気をつけて」なんて状況、経験したことありませんか?
こうした状況が続くと、職場全体がピリピリした雰囲気になり、誰もが萎縮してしまいます。
「こどもたちのため」が悪用される現実
児童福祉の仕事には、「こどもたちの役に立ちたい」という純粋な気持ちで入ってくる人がほとんどです。
でも、その善意が悪用されるケースが少なくありません。
使命感を利用した無理な要求
「こどもたちが困っているのに、定時で帰るの?」 「本当にこどもたちのことを考えているなら、もっと頑張れるはず」
こんな言葉で、サービス残業や休日出勤を強要される職場があります。
断ると「愛情が足りない」「向いていない」と人格否定されることも。
「チームワーク」という名の同調圧力
「みんなで協力しているのに、あなただけ文句を言うの?」 「チームの和を乱すような人は困る」
正当な意見や要求も、「わがまま」として片付けられてしまいます。
真のチームワークとは程遠い、同調圧力が横行している職場が存在するのです。
気づいてない?それ、パワハラかもしれません
多くの職場で「人間関係の問題」として片付けられているトラブルの根本を調べてみると、実は「パワハラ」が原因になっているケースが多いことが分かります。
「なんとなく雰囲気が悪い」「居心地が悪い」と感じる職場の多くで、以下のようなパワハラが起きています。
放課後等デイサービス特有のパワハラ事例
使命感を悪用した攻撃
- 「こどもが困っているのに、定時で帰るの?」と残業を強要
- 「本当にこどもたちのことを考えているなら、もっと頑張れるはず」と無給労働を要求
- 「愛情が足りない」「向いていない」と人格を否定
- 保護者の前で「この職員は経験不足で…」と威厳を失墜させる
職場での孤立化工作
- 重要な申し送り事項を意図的に伝えない
- 職員会議から除外する、または参加しても発言を無視する
- 休憩時間に一人だけ声をかけない、会話から排除する
- 他の職員に「あの人とは関わらない方がいい」と吹き込む
専門性の否定と業務嫌がらせ
- 「資格があっても現場を知らない」と経験を軽視
- 「あなたのやり方ではこどもたちが可哀想」と支援方法を全否定
- シフト希望を一切受け入れない(他の職員は通る)
- 一人では対応困難な業務を意図的に押し付ける
これらは一見「指導」や「チームワーク」のように見えますが、実際には立派なパワハラです。
こうした行為が積み重なることで、職場の人間関係は悪化し、最終的に離職につながってしまうのです。
次に、人間関係が悪化する4つの段階について解説します。
人間関係が悪化する4つの段階と実際のパターン
人間関係の悪化は、一気に起こるものではありません。
段階的に進行していくケースがほとんどです。
どのような問題が報告されているのかを知っておくことで、早期発見・早期対応につなげることができます。
第1段階:「何となく居心地が悪い」小さな違和感から始まる
最初は、「気のせいかな?」と思うような小さなことから始まります。
よく報告される初期のパターン
- 挨拶への無反応:特定の職員からの挨拶に対してのみ反応しない
- 会話の中断:その人が来ると話が止まったり、話題が変わったりする
- 情報共有の「うっかり忘れ」:会議や重要な連絡事項を伝え忘れることが頻発する
- 休憩時間での疎外感:自然に会話の輪から外される状況が続く
この段階では、被害を受けている本人も「考えすぎかも」と思いがちで、周囲も気づきにくいのが特徴です。
第2段階:「これって嫌がらせ?」業務に支障が出始める
小さな違和感が積み重なると、業務にも影響が出始めます。
業務に関わる嫌がらせのパターン
- 申し送り事項の意図的な遮断:担当するこどもの重要な情報を共有しない
- シフト希望の一方的な却下:他の職員は通るのに、特定の人だけ希望が通らない
- 必要な備品・教材の使用制限:明確なルールなく、特定の職員の使用を制限する
- 会議や研修からの除外:参加が必要な場面で声をかけられない
この段階になると、業務品質にも影響し、こどもたちや保護者にも迷惑をかける可能性が出てきます。
第3段階:「これは明らかにおかしい」公然とした攻撃
ここまで来ると、周りの職員も「おかしい」と気づくレベルの問題行動が表面化します。
明確なハラスメント行為
- 保護者の前での叱責:人前で屈辱的な扱いを受ける、威厳を失わせる行為
- 会議での発言権剥奪:意見を言おうとしても無視する、発言を認めない
- 人格否定:「向いていない」「プロ失格」など、能力や人格を否定する発言
- 職員間の対立を煽る行為:特定の職員への悪口を他の職員に強要する
第4段階:「もう限界」完全な孤立状態
最終段階では、職場にいることが苦痛でしかない状態になります。
孤立化の完成パターン
- 完全な無視:挨拶、質問、相談など、一切のコミュニケーションを遮断
- 虚偽情報の流布:保護者や他の職員に対して事実と異なる悪評を広める
- 退職強要:直接的・間接的に退職を迫る言動を繰り返す
この段階では、職員の心身の健康に深刻な影響が出て、最終的に離職につながるケースが多く見られます。
ここまで、放課後等デイサービスで起きがちなパワハラの実態をお伝えしてきました。
でも、安心してください。
適切な対策を講じれば、パワハラのない健全な職場環境を作ることは十分可能です。
最後に、こどもプラスの人間関係や職場環境改善のための取り組みをご紹介します。
こどもプラスの人間関係・職場環境改善の取り組み|パワハラのない安心できる職場づくり
こどもプラスでは、放課後等デイサービスで起こりがちな人間関係の問題やパワハラを防ぐため、職場環境の改善に積極的に取り組んでいます。
小規模職場特有の課題を解決し、すべての職員が安心して働ける環境づくりを実践しています。
風通しの良いコミュニケーション環境の構築
小規模職場で起こりがちな「逃げ場のない人間関係」を防ぐため、オープンなコミュニケーション環境をつくっています。
月に1回程度の定期ミーティングを職員全員で行い、課題の共有や解決策の検討を行っています。
管理者等の担当者が定期的に一人ひとりと面談を行い、日頃の悩みを相談できる体制づくりを行っています。
また、直接話しにくい場合でも相談しやすいよう、チャット機能等の連絡ツールも活用し、職員が問題を一人で抱え込まないよう配慮しています。
使命感の悪用を防ぐ明確なルール設定
「こどもたちのため」という理由での不当な要求や無理な労働を防ぐため、明確なルールを設けています。
管理者等の担当者が個人の有給休暇の取得率を把握して個別に取得を促す体制や、休暇の申請もシステム化して申請しやすい環境づくりを行っています。
経験年数や資格に応じた適正な人員配置を行うと共に、
一つの業務に対して担当できる職員を2名以上置くことや業務マニュアルを整備することで、特定の職員に過度な負担がかからないよう配慮しています。
パワハラ防止と早期発見の仕組み
パワハラの芽を早期に摘み取るため、ハラスメントに関する相談ができる専用窓口を設置しています。
また、行政機関による相談先についても職員に周知しています。
ハラスメント防止に関する指針を明確に定め、すべての職員が安心して働ける環境づくりに努めています。
定期的なストレスチェックを実施し、結果に応じた個別面談などで相談しやすい環境づくりを行い、人間関係の悪化が深刻化する前に早期にケアを行うことを重視しています。
職員の孤立化を防ぐサポート体制
新入職員に対するエルダー・メンター制度を導入し、先輩職員が継続的にサポートする体制を整えています。
入職時には段階的な研修プログラムを実施し、職場に自然に馴染めるよう丁寧にサポートしています。
同じ法人内の別の教室の職員も何かあった時には応援に来られる体制を作り、一つの職場だけで問題を抱え込まないよう配慮しています。
職員が孤立することなく、みんなで支え合える環境づくりを行っています。
専門性を認め合う職場風土の醸成
職員の専門性や個性を尊重し、一人ひとりの強みを活かせる職場風土をつくっています。
利用者からの謝意や好事例を定期会議にて全体共有を行い、職員の意欲向上につなげています。
支援に係る資格や研修の受講を職員全員に促しており、各機能団体や自治体主催の研修については年間スケジュールを職員に周知し参加を促しています。
研修参加日・試験日の特別有給休暇や受講料の助成も行い、職員の成長を組織全体で応援する環境をつくっています。
女性職員が働きやすい環境づくり
女性職員が長く働けるよう、産休・育休取得率と復帰率の向上を目指すと共に、子育て中の職員に対する時短勤務制度も導入しています。
児童発達支援管理責任者・教室管理者等の責任者は性別の差なく登用しており、能力と意欲に基づいた公正な人事評価を行っています。
このような包括的な取り組みにより、こどもプラスでは人間関係の問題やパワハラのない、健全で働きやすい職場環境を実現しています。
「人間関係が心配で転職に踏み切れない」という不安をお持ちの方も、こどもプラスなら安心して新しいスタートを切ることができます。
風通しの良い職場環境で、あなたも安心して放課後等デイサービスの仕事に取り組んでみませんか?
放課後等デイサービスで働くことを検討されている皆さんが、やりがいを持って長く働き続けられる、素晴らしい職場と出会えることを心から願っています。