放課後等デイサービス離職率が高い職場に起きやすいパワハラ問題|こどもプラス
「やってみたい気持ちはある。だけど、すぐ辞める人が多いって聞くし…」
このような不安を抱えながら、放課後等デイサービスへの転職を検討している方は多いのではないでしょうか。
ですが、実際に現場で働く職員の多くは、こどもたちの成長を感じられるやりがいや、アットホームな職場環境に満足しています。
本記事では、放課後等デイサービスの離職率の実態と、パワハラ問題がどのように離職率に影響しているのかを詳しく解説します。
長く安心して働けるこどもプラスの環境についても解説しますので、是非ご参考にしてください。
まずは、放課後等デイサービスの離職率の実際のデータから確認していきましょう。
放課後等デイサービスの離職率は10%程度|業界全体の離職率は決して高くない
放課後等デイサービス単体の正確な離職率は公表されていません。
ですが、医療・福祉分野全体では10%程度と推測されており、これは決して高い数字ではありません。
参考として他の業界を見てみると、宿泊業・飲食サービス業は18.2%、生活関連サービス業・娯楽業は20.8%となっており、これらと比較すると放課後等デイサービスの離職率は低い水準にあります。
しかし、パワハラが発生する事業所では離職率が急上昇
ここで注意していただきたいのは、事業所による格差が非常に大きいということです。
パワハラが横行する事業所では、離職率が跳ね上がるという深刻な実態があります。
- 管理者によるパワハラで1年間に職員の40%が退職したケースや
- 先輩職員からの精神的な嫌がらせで新人が3ヶ月で全員離職してしまったケース
- 保護者対応を理由とした理不尽な叱責で職員が相次いで退職したケース
などが報告されています。
このように、放課後等デイサービスはパワハラの有無が離職率を大きく左右しているのが実情です。
業界全体の離職率は他業界と比べて低い水準にありますが、パワハラが発生する職場では離職率が急激に悪化してしまいます。
では、具体的にパワハラがどのような影響を職員に与え、離職につながっているのでしょうか。
次に、職員のキャリア段階別にその影響を詳しく見ていきましょう。
パワハラがある職場で実際に起こること
パワハラによる離職は、職員のキャリア段階によって異なる形で現れます。
新人からベテランまで、それぞれが直面するパワハラの内容や離職に至る経緯には特徴的なパターンがあります。
①新人職員への影響:入職3ヶ月で50%が離職
パワハラが発生する事業所では、新人職員に対する威圧的な指導や人格否定的な発言により、本来なら成長できるはずの職員が短期間で離職してしまいます。
「何回言ったらわかるの?」「向いてないんじゃない?」といった人格否定や、
他の職員の前での公開処刑的な指導、新人のミスを過度に責める威圧的な態度、
「前の人はもっとできた」といった比較による精神的圧迫などが日常的に行われています。
その結果、入職から3ヶ月以内の離職率が50%を超える事業所も存在するのが現実です。
②中堅職員への影響:心身の疲弊で戦力が流出
パワハラが日常化した職場では、中堅職員も常に緊張状態で働くことになり、やがて心身ともに疲弊して離職に至ります。
- 「こどものためなら当然」という圧力をかけた理不尽な残業の強要
- 失敗への過度な叱責と責任転嫁
- 同僚間での孤立を生む分離政策
- プライベートへの過度な干渉や束縛
などが続きます。
この段階での離職は事業所にとって大きな損失となります。
さらなる人手不足から残った職員への負担が増加し、新たなパワハラを生むという悪循環に陥ってしまいます。
③ベテラン職員への影響:経験者まで見切りをつける
さらに深刻なのは、長期間働いたベテラン職員でも、パワハラが改善されない職場環境に見切りをつけて離職するケースが増えていることです。
- 後輩職員がパワハラで次々と辞めることへの罪悪感
- 管理者のパワハラ体質が改善されない絶望感
- より良い職場環境への転職機会の増加
- 自身がパワハラの対象になることへの危機感
などが重なり、経験豊富なベテラン職員までもが職場を去ってしまうのです。
ベテラン職員の離職は事業所にとって致命的な打撃となり、残された職員への負担がさらに増加することになります。
このように、パワハラは新人から中堅、ベテランまで全ての職員に深刻な影響を与え、離職率を押し上げる大きな要因となっています。
では、なぜこのようなパワハラが生まれてしまうのでしょうか。
次に、パワハラが発生する職場環境の構造的な問題について詳しく解説していきます。
パワハラが生まれる職場の共通点
パワハラは突然発生するものではありません。
職場環境の悪化が段階的に進行し、最終的にパワハラという形で表面化します。
その背景には、放課後等デイサービス特有の構造的な問題が潜んでいます。
忙しい→イライラ→パワハラ→退職の悪循環
最初は軽微な人手不足だったものが、職員への過度な負担につながり、ストレスが蓄積されます。
そのストレスが管理者のイライラを生み、パワハラが発生します。
その結果職員が離職し、さらなる人手不足を招き、より深刻なパワハラへと発展していく。
この悪循環が一度始まると、自然に解決することは非常に困難になります。
小さな職場の大きなリスク
放課後等デイサービスは職員5から10名程度の小規模事業所が多く、これが様々な問題を生み出しています。
まず、管理者一人の人格や管理スタイルが職場全体を支配してしまいがちです。
職員が管理者に意見を言いにくい上下関係が固定化され、外部からの監視も届きにくい環境になってしまいます。
また、少人数だからこそ、一度人間関係が悪化すると修復が困難になります。
パワハラを受けても他部署への異動などの選択肢がなく、職員同士の監視体制や告げ口文化が形成されることもあります。
専門性を悪用したパワハラ
発達支援という専門性の高い仕事であることを逆手に取ったパワハラも存在します。
「こどものことを考えていない」という道徳的な圧力や、「専門職としての自覚が足りない」といった人格否定、経験の差を利用した上から目線の指導などが行われます。
また、「保護者からクレームが来たらどうする」という脅しや、
保護者との関係悪化を全て職員の責任にする責任転嫁、
サービス残業を「保護者のため」と正当化するといったことも起こっています。
このように、パワハラが生まれる背景には人手不足、小規模事業所の閉鎖性、専門性の悪用という3つの構造的問題があります。
しかし、同じ業界でも職場によって離職率には大きな差があるのも事実です。
次に、離職率が低い優良職場と高い問題職場の違いを具体的に見ていきましょう。
同じ放課後等デイサービスなのになぜ?良い職場と悪い職場の違い
離職率という数字は、その職場の健全性を測る重要な指標です。
同じ放課後等デイサービスでも、パワハラ対策がしっかりしている職場とそうでない職場では、離職率に歴然とした差が現れます。
離職率5%以下の優良職場の特徴
パワハラ対策が徹底された優良職場では、職員が長期間安心して働けるような環境が整っています。
分野 | 具体的な取り組み |
---|---|
管理体制 | ・職員の意見を聞く定期的な面談制度 ・管理者への客観的な評価システム ・問題発生時の明確な対応フロー |
パワハラ対策 | ・全職員への定期的なハラスメント研修 ・匿名での相談窓口の設置 ・第三者機関による職場環境チェック |
職場文化 | ・ミスを責めるより改善策を考える文化 ・職員同士が支え合う協力体制 ・個人の成長を組織全体で応援する風土 |
離職率30%以上の問題職場の特徴
一方で、パワハラが横行する問題職場では、職員が短期間で離職してしまう環境になっています。
問題の構造 | 具体的な内容 |
---|---|
権威主義的な管理体制 | ・管理者の絶対的な権力と職員の服従関係 ・意見を言えない雰囲気 ・問題があっても「我慢しろ」で済まされる |
パワハラの放置体質 | ・「厳しい指導は必要」という歪んだ正当化 ・「あなたにも問題がある」という責任転嫁 ・告発者への報復や冷遇が行われる |
崩壊した職場運営 | ・場当たり的な人事と無計画な業務分担 ・職員の使い捨ての発想 ・利用者や保護者対応も職員任せで組織としての責任がない状態 |
離職率5%以下の優良職場と30%以上の問題職場では、職場環境に雲泥の差があることがお分かりいただけたと思います。
では、転職を検討する際に、このような良い職場と悪い職場をどのように見極めればよいのでしょうか。
次に、実践的な職場選びのポイントをご紹介します。
応募前にチェック!パワハラ職場を避ける方法
転職活動では、求人情報や面接だけでは見えない職場の実態を把握することが重要です。
パワハラのリスクがある職場を避け、安心して働ける環境を見つけるための具体的な方法をお伝えします。
面接や見学時に確認すべきこと
面接時のポイント
離職率について具体的な数字を聞くことは、面接時の印象を悪くしてしまう可能性があります。
そのため、「長く働いている職員の方はいらっしゃいますか?」という質問してみましょう。
優良事業所であれば、スムーズな回答が返ってくるでしょう。
新人職員へのサポート体制についても聞いてみてください。
「新人のときはどのようなサポートを受けられますか?」という質問に対して、パワハラのない職場では手厚いサポート制度について詳しく説明してくれます。
相談体制の充実度も重要なポイントです。
「困ったときの相談先はありますか?」と聞いて、複数の相談ルートがある職場は安心できます。
「長く働いている職員の方はいらっしゃいますか?」
「新人のときはどのようなサポートを受けられますか?」
「困ったときの相談先はありますか?」
見学時のポイント
見学時には、管理者と職員の関係性をよく観察してください。
管理者が職員とどう接しているか、威圧的な態度が見えたら要注意です。
そして何より大切なのは、職員の表情と雰囲気です。
職員が自然に笑顔で働いているか、管理者がいないときの職員の様子はどうかをしっかりとチェックしてください。
避けるべき職場の危険信号
求人情報で注意すべきは、「やる気」「根性」「体力」を強調する表現が多い求人です。
これは「過酷な環境でも耐えられる人」を募集しているサインになります。
面接では、管理者が一方的に話し、こちらの質問には適当に答える場合は要注意です。
「厳しい環境だけど頑張れる?」といった脅し的な質問や、職員の悪口や前任者への批判的な発言が出てくる場合も避けた方が良いでしょう。
職場見学では、職員が下を向いて働き活気がない、管理者が現れると職員が明らかに緊張する、「今は忙しいので」と見学を断られるといった状況があれば、その職場は避けることをお勧めします。
これらのチェックポイントを活用することで、パワハラのリスクが高い職場を避けることができます。
では、実際にパワハラ対策を徹底し、職員が安心して働ける環境を提供している事業所では、どのような取り組みが行われているのでしょうか?
最後に、こどもプラスの具体的な対策をご紹介します。
こどもプラスが実践するパワハラ防止対策|安心して働ける環境づくり
こどもプラスでは、パワハラを防いで職員が安心して働ける職場環境をつくることを重視しています。
職員が長く働き続けられるよう、以下のような取り組みを行っています。
相談しやすい環境づくりと早期発見の仕組み
こどもプラスでは、職員が悩みを一人で抱え込まないよう、複数の相談ルートを整備しています。
管理者等の担当者が定期的に一人ひとりと面談を行い、日頃の悩みを相談できる体制づくりを行っています。
また、直接話しにくい場合でも相談しやすいよう、チャット機能等の連絡ツールの導入も進めています。
ハラスメントに関する専用の相談窓口を設置し、行政機関による相談先についても職員に周知することで、問題の早期発見と解決に取り組んでいます。
予防を重視した研修制度とルールづくり
パワハラが発生しないよう、ハラスメント防止に関するルールを明確に定めています。
管理者から一般職員まで、全ての職員がパワハラに関する正しい知識を身につけ、健全な職場環境を維持できるよう取り組んでいます。
職員間のコミュニケーション改善にも力を入れており、月に1回程度の定期ミーティングを職員全員で行い、課題の共有や解決策の検討を行っています。
小さな問題が大きなトラブルに発展することを防ぐための取り組みです。
新人職員へのサポートとメンタルケア
新人職員に対してはエルダー・メンター制度を導入し、先輩職員が継続的にサポートする体制を整えています。
入職時には段階的な研修プログラムを実施し、仕事の心構えや療育の基礎知識から感染症対策、虐待防止といった法定研修まで、新人職員が安心してスタートできる環境を提供しています。
また、定期的なストレスチェックを実施し、結果に応じた個別面談などで相談しやすい環境づくりを行い、支援業務に影響が出ないよう早期にケアを行っています。
職場間の連携と前向きな風土づくり
こどもプラスでは、同じ法人内の別の教室の職員も何かあった時には応援に来られる体制を作り、一つの職場だけで問題を抱え込まないよう配慮しています。
利用者からの謝意や好事例を定期会議にて全体共有を行い、職員の意欲向上につなげることで、前向きで協力的な職場風土づくりに取り組んでいます。
このような取り組みを通じて、こどもプラスでは職員が長期間安心して働ける環境づくりを行っています。
「パワハラが心配で転職に踏み切れない」という不安をお持ちの方も、こどもプラスなら安心して新しいスタートを切ることができます。
こどもプラスでは、放課後等デイサービスでこどもたちの成長を一緒に支えてくださる職員を募集しています。
安心して長く働ける環境で、あなたもこどもたちの笑顔のために働いてみませんか?