職場のパワハラ問題とこどもプラスが目指す女性が働きやすい職場づくり
女性が働きやすい職場とは、どのような職場でしょうか？
職場での人間関係に悩む女性はとても多いです。
特にパワハラは、頑張って働きたい女性の気持ちを深く傷つけ、キャリアを妨げる大きな問題となっています。
放課後等デイサービスのような福祉のお仕事でも、女性スタッフが多く活躍しています。
しかし残念ながらパワハラが原因で職場を離れざるを得なくなってしまう方もいらっしゃいます。
そんな状況を変えるために、まずはパワハラについて正しく理解し、女性働きやすい職場づくりについて一緒に考えてみましょう。
女性が知っておくべきパワハラの基本知識
女性が働きやすい職場づくりの第一歩は、パワハラについて正しく理解することです。
そもそもパワハラって何？法律で決められた定義
2020年6月に施行されたパワハラ防止法では、パワハラを「職場での優越的な関係を背景とした、業務の適正な範囲を超える言動で、働く人の就業環境を害するもの」と定義しています。
難しい言葉で書かれていますが、簡単に言うと以下の3つがすべて当てはまる場合がパワハラです。
- 上下関係や力関係を利用している（上司から部下、先輩から後輩、集団から個人など）
- 仕事として必要な範囲を超えている（業務指導の域を超えた言動）
- 働く環境を悪くしている（精神的・身体的な苦痛を与えている）
出典元： 厚生労働省｜職場におけるハラスメントの防止のために
女性が受けやすいパワハラの6つのパターン
パワハラには6つの典型的なパターンがあり、特に女性が被害を受けやすいものがあります。
- 身体的な攻撃：叩く、殴る、物を投げつけるなど
- 精神的な攻撃：人格否定、罵倒、長時間の叱責など
- 人間関係からの切り離し：無視、仲間外し、情報を教えない など
- 過大な要求：処理しきれない業務の押し付け、休日出勤の強要など
- 過小な要求：能力に見合わない簡単な作業のみ、仕事を与えないなど
- 個の侵害：プライベートへの過度な干渉、個人情報の暴露など
女性の場合、特に「人間関係からの切り離し」と「個の侵害」のパターンが多く、これらは目に見えにくいため周囲に理解されにくいという特徴があります。
パワハラ防止法で会社に義務付けられたこと
この法律により、すべての会社には以下の対応が義務付けられました。
- パワハラ防止の方針を明確にして、全職員に周知すること
- 相談窓口を設置すること
- パワハラが起きた際に適切に対応すること
- 相談者や関係者のプライバシーを守ること
つまり、「パワハラは個人の問題」ではなく、「会社が責任を持って対処すべき問題」として法的に位置づけられたのです。
このパワハラの基本知識を踏まえて、実際に女性が働きやすい職場では何が問題となっているのかを見ていきましょう。
次に、多くの働く女性が実際に抱えているパワハラの深刻な悩みについてお話しします。
多くの女性が抱えているパワハラの悩み
女性が働きやすい職場を実現するためには、現実に起きているパワハラの被害実態を知ることが重要です。
頑張って昇進したのに…管理職女性が直面する現実
厚生労働省の調査で、とても心配な結果が明らかになりました。
パワハラを受けた方の中で「女性管理職」が38.1%と最も多かったのです。
せっかく努力して責任のある立場に就いたのに、それが新たなつらさの原因になってしまうなんて、とても悲しいことですよね。
きっと同じような思いを抱えている女性管理職の方は少なくないのではないでしょうか。
出典元：厚生労働省｜令和２年度「職場のハラスメントに関する実態調査 報告書」
女性だからこそ受けやすいパワハラのかたち
職場で働く女性の皆さんなら、きっと心当たりがあるかもしれません。
- 陰口や悪口：女性の41.2%が経験（男性は31.2%）
- 仲間はずれや無視：男性の約2倍の女性が経験している
- プライベートへの詮索：「彼氏はいるの？」「結婚の予定は？」といった質問攻め
こうしたハラスメントは、殴られたり怒鳴られたりするような分かりやすいものではないからこそ、「これってパワハラなのかな？」と一人で悩んでしまいがちです。
でも、あなたが嫌だと感じたら、それは立派なハラスメントなのです。
このような一般的なパワハラに加えて、女性特有のハラスメントも女性が働きやすい職場づくりの大きな障害となっています。
続いて、性別による固定観念から生まれる女性特有のハラスメントについて詳しく見ていきましょう。
「女性らしさ」という名の下に押し付けられること
女性が働きやすい職場を阻む要因として、「女性らしさ」を押し付けるパワハラがあります。
性別による決めつけに苦しんでいませんか？
毎日の職場で、こんな言葉をかけられて嫌な思いをしたことはありませんか？
「いずれ結婚して辞めるんでしょ？」
「お茶くみは女性の仕事よね」
男性には「○○さん」なのに、女性だけ「○○ちゃん」
相手は悪気がないのかもしれませんが、こうした言葉の一つ一つが、働く女性の心に小さな傷を作っていきます。
あなたの気持ちを大切にしてほしいのです。
人生の大切な時期を台無しにされるマタハラ
妊娠、出産、育児…女性にとって人生の中でとても大切で幸せな時期のはずなのに、職場でこんなつらい思いをされている方もいらっしゃいます。
産休の相談をしただけで「キャリアは諦めてね」と言われる
時短勤務を使うと「楽でいいわね」と冷たい視線を向けられる
妊娠報告をしたら「今、忙しいのに困る」と責められる
私の身近な人も実際に、妊娠によって退職まで追い込まれました。
本来なら周りの人たちに祝福され、支えられるべき時期に、こんな仕打ちを受けるなんて、どれほどつらいことでしょうか。
あなたが悪いわけでは決してありません。
これらの性別による偏見を取り除くことが、真に女性が働きやすい職場を作る上で不可欠です。
しかし、なぜこのような女性特有のパワハラが生まれてしまうのでしょうか。
その社会的背景を理解することで、より効果的な対策を考えていきましょう。
なぜ女性特有のパワハラが生まれるのか？社会的背景を考える
女性が働きやすい職場を実現するためには、女性特有のパワハラが生まれる背景を理解することが重要です。
大前提：性別による区別について
現代社会では、「女性だから」「男性だから」という性別による区別や決めつけは好ましくないとされています。
私たちも、すべての人は個人として尊重されるべきだと考えています。
しかし残念ながら、長年の社会的習慣として根付いてしまった傾向が現実として存在し、それがハラスメントの背景となっている可能性があります。
以下でお話しする内容は、すべての女性・男性に当てはまるものではなく、あくまで社会全体の傾向としての推察であることをご理解ください。
社会化の過程で身につく習慣の違い
一つの推察として、幼少期からの社会化の過程で、性別によって異なるコミュニケーション様式を学習してしまう可能性が考えられます。
女性に期待されがちな特性：
- 協調性を重視する
- 直接的な対立を避ける
- 関係性を大切にする
- 間接的な表現を使う
男性に期待されがちな特性：
- 競争性を重視する
- 直接的な表現を使う
- 階層的な関係を受け入れる
- 明確な対立も辞さない
これらの社会的期待が、職場でのハラスメントの「質」の違いに影響している可能性があります。
「女性は優しいはず」という思い込みが生む問題
社会には「女性は本来優しく、思いやりがある」という固定観念があります。
この思い込みが、皮肉にも以下のような問題を生み出していると推察されます。
加害者側の認識：「女性なんだから多少のことは大丈夫」
被害者側の認識：「女性からされたことだから我慢すべき」
周囲の認識：「女性同士の問題なんて軽いもの」
組織の認識：「女性間の問題は当事者同士で解決を」
組織における立場の歴史的影響
歴史的に女性が組織で低い地位に置かれてきたことも、現在のハラスメントパターンに影響している可能性があります。
- 公式な権力を持ちにくかった→非公式な影響力行使手段の発達
- 直接的な対立が許されなかった→間接的な攻撃手段の発達
- 「女性らしさ」を求められ続けた→表面的には穏やかに見える嫌がらせの発達
現代の女性管理職が直面する特別な困難
女性管理職への特有のハラスメントも、社会的背景から推察できます。
- 「なぜ女性が上司に？」という無意識の疑問
- 「女性なんだから優しく指導して」という期待
- 少数派としての過度な注目とプレッシャー
- 男性とは違う基準で評価される困難
これらの要因が複合的に作用して、女性特有のパワハラパターンが生まれていると考えられます。
重要なのは、これらは個人の性格や能力の問題ではなく、社会全体の構造的な問題であるということです。
このような背景を理解することで、より効果的なハラスメント防止策を講じることができます。
次に、実際に他の企業で起きた事例を通して、こうした問題の深刻さを確認してみましょう。
見えにくい女性同士のパワハラ問題
こうした社会的背景を踏まえて、女性が働きやすい職場を実現する上で見落としがちな女性同士のパワハラ問題の実態を詳しく見ていきましょう。
女性間ハラスメントの具体的な現れ方
前章でお話しした社会的背景が、実際の職場では以下のような形で現れています。
実際に、女性同士のパワハラには独特の特徴があることが分かっています。
男性のパワハラが「怒鳴る」「威圧的な態度」といった分かりやすい形が多いのに対し、女性間では以下のような行動をとることが多いのです。
- 陰口や噂話：本人のいないところで悪口を言い広める
- 微妙な仲間外し：ランチに誘わない、大切な情報を教えない
- 無視や冷たい態度：挨拶を返さない、必要最小限しか話さない
- 表面的には優しいが裏で嫌がらせ：二面性のある態度
被害を受けた女性が陥りやすい心理的な罠
女性間のハラスメントを受けると、被害者は特有の心理状態に陥りがちです。
「自分にも原因があるのでは？」という自責の念
- 「協調性が足りないから嫌われるのかも」
- 「もっと気を遣えばよかった」
- 「女性なんだから仲良くしなければ」
相談への躊躇
- 「女性同士の問題なんて軽く見られそう」
- 「大げさだと思われたくない」
- 「証拠がないから信じてもらえない」
孤立感の深刻化
- 職場での居場所がないと感じる
- 誰を信頼していいか分からなくなる
- 仕事に集中できなくなる
あなたの感じている違和感は正しいです
もしあなたが女性同士の人間関係で違和感や苦痛を感じているなら、それは決して「考えすぎ」ではありません。
性別に関係なく、人を傷つける行為はハラスメントです。「女性なんだから」「みんな仲良く」という期待に縛られる必要はないのです。
あなたが苦しんでいるなら、それは解決すべき立派な問題です。
一人で抱え込まず、信頼できる人や専門の相談窓口に話してみてくださいね。
女性間のハラスメントを解決することも、真に女性が働きやすい職場づくりには欠かせない要素です。
最後に、こうした問題を解決するために、こどもプラスではどのような取り組みを行っているのかをご紹介します。
こどもプラスだからできる、女性が働きやすい職場づくり
こどもプラスでは、女性特有のパワハラ問題を深く理解し、すべての女性職員が安心して働ける職場環境をつくることに取り組んでいます。
性別による偏見や固定観念を排除し、一人ひとりの個性と能力を大切にした職場運営を行っています。
女性への配慮と支援制度の充実
女性職員が長く働けるよう、産休・育休取得率と復帰率の向上を目指すと共に、子育て中の職員に対する時短勤務制度も導入しています。
妊娠・出産・育児という人生の大切な時期を、周囲が温かく支援する職場風土をつくっています。
責任者は性別の差なく選んでおり、能力とやる気に基づいた公平な評価を行っています。
「女性だから」という理由で機会を制限されることのない、平等な職場環境をつくっています。
パワハラ防止と相談しやすい環境づくり
女性特有の見えにくいパワハラを防ぐため、ハラスメントについて相談できる場所を設けており、行政の相談先についても職員にお知らせしています。
陰口や仲間外し、プライベートを聞かれるなど、女性が受けやすいハラスメントについても明確に防止対象としています。
管理者等の担当者が定期的に一人ひとりと面談を行い、日頃の悩みを相談できる体制づくりを行っています。
直接話しにくい場合でも相談しやすいよう、チャット機能等の連絡ツールも活用し、女性職員が問題を一人で抱え込まないよう気を遣っています。
女性同士の良好な関係づくり
女性同士の人間関係で起こりがちな問題を防ぐため、月に1回程度の定期ミーティングを職員全員で行い、課題の共有や解決策の検討を行っています。
小さな違和感や問題も早めに話し合える環境をつくることで、深刻なトラブルに発展することを防いでいます。
利用者からの謝意や好事例を定期会議にて全体共有を行い、職員の意欲向上につなげています。
お互いの頑張りを認め合い、支え合える職場風土を大切にしています。
心の健康サポート
女性特有のストレスや心の負担に気を遣い、定期的にストレス調査を実施し、結果に応じて個別にお話を聞く機会も設けています。
感情を使う仕事で心が疲れてしまわないよう、職員の心の健康を第一に考えた職場運営を行っています。
管理者等の担当者が個人の有給休暇の取得率を把握して個別に取得を促す体制や、休暇の申請もシステム化して申請しやすい環境づくりを行っています。
女性が無理をしすぎることなく、心身の健康を保ちながら働ける環境を整えています。
新人女性職員へのサポート体制
新入職員に対する先輩職員によるサポート制度を導入し、特に女性の新人職員が職場に馴染みやすいよう、丁寧なサポートを行っています。
入職時には段階的な研修を実施し、女性職員が安心して仕事をスタートできる環境を提供しています。
経験年数や資格に応じて給料が上がる仕組みを導入し、女性職員の成長や努力が適切に評価される制度を整えています。
支援に係る資格や研修の受講を職員全員に促しており、研修参加日・試験日の特別有給休暇や受講料の助成も行い、女性職員の将来の成長を積極的に応援しています。
このような女性に寄り添った様々な取り組みにより、こどもプラスでは性別に関係なく、すべての職員が安心して能力を発揮できる職場環境をつくっています。
「女性が多い職場の人間関係が心配」
「パワハラを受けたことがあるので不安」
という方も、こどもプラスなら安心して新しいスタートを切ることができます。
こどもプラスでは、女性が輝ける職場でこどもたちの成長を一緒に支えてくださる職員を募集しています。
性別による偏見のない職場環境で、あなたらしく働いてみませんか？
